
| 週刊三軒茶屋 第50号 著作:フジモリ 公開日:2005/04/16 【特集】萌えとは何ぞや?(その3) |
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フジモリ 「さて「萌え」についてフジモリが語っておりますこのコーナー。第3回を迎えました」 舞奈 「前回はフジモリが「『魔女っ娘』萌え」ってところで終わったんですよね」 フジモリ 「あれー。前回と属性が変わってるー」 ドクトル 「で、「萌える」という言葉を一義的な意味として「love」「like」という意味として、その他動詞の対象を二つに分類、第1回で「キャラクタ」に対する「萌え」を、第2回で「属性」に対する「萌え」を説明しました。「属性」とはこの場合「魔女っ娘」のことです。「属性に対する萌え」というのは、「属性」自体はキャラクタを構成する「一部分」でありながらも、「キャラクタに対する萌え」とは異なるベクトル上にある感情だと定義しました。「属性」に対する感情はフェティシズムと同じく「部分」に対する恋愛感情であり、「全て」である「キャラクタ」に対する感情とは別物。「属性」に対する萌えをいくら組み合わせても「キャラクタ」に対する萌えには至らないというわけですね」 フジモリ 「だからその「で」っていう接続詞やめようよ!訴えるよほんと!」 舞奈 「どうぞ」 ドクトル 「勝ちますよ。証人いっぱい用意しますよ」 フジモリ 「・・・ごめんなさい」 舞奈 「謝るなら最初からツッコミ入れなきゃいいのに。で、第3回は二義的な意味としての「萌え」について語るわけね」 フジモリ 「そうだね。「萌え」「萌える」というのはもともと「love」「like」という意味での「好き」と同義だったわけだけど、最近では「このシーン萌えだよね」「このセリフ萌えるよね」など、同じ好きでも「favorite」、「気に入る」という意味で使用されている場合も多くなってきた」 舞奈 「さんざん私達が言っている、「フジモリは『巫女さんがホウキを持っているシーン』萌えだよね」などとして使われる場合の「萌え」ね」 フジモリ 「巫女萌えってさんざん言ってないって!いろいろ属性増やしちゃだめーっ!」 ドクトル 「まあまあ。で、「favorite」として使う場合の「萌え」ですが、まさしく「好き」と同義ですよね」 フジモリ 「そうだね。「love」「like」の場合の「萌え」よりも「好き」に近いニュアンスとして用いられているといっても過言ではないと思うよ」 舞奈 「え?・・・うーん。「萌え」イコール「love」「like」というのは今までの話でなんとなく分かったけど、「萌え」=「好き」「favorite」っていうのがイコールかと言えば違う気がするんだけど」 ドクトル 「それは「love」「like」の「萌え」も同じですよね。イコールかと言えば微妙に違う気がします。「好き」というのが対象に対し「あわよくば思いを到達させたい」という感情なのに比べ、「萌え」というのが「対象に思いを到達させることを前提としない」感情だからじゃないですか?「甘いもの好き」とは言いますけど、「甘いもの萌え」とは言いませんよね。甘いものを食べたいからこその「甘いもの好き」なわけですから。「眼鏡っ娘好き」であれば、眼鏡をかけた女の人に対しあわよくば仲良くなりたいという積極的な感情なのに対し、「眼鏡っ娘萌え」は別に実際に仲良くならなくてもいいわけです。今までの前提を覆すようですが、「好き」と「萌え」の間には隔たりがあるのではないでしょうか?」 フジモリ 「確かにね。ただ、「好き」というのもそのレベルに強弱あることだし、現在使われている「萌え」という言葉は「対象を好意的に思っていること」という本来の意味から離れた意味も持ち始めているんじゃないかと思うわけだ。それが、今回話す「favorite」の意味で使う「萌え」の流れだ」 舞奈 「そうかなぁ。でもそれなら、それこそ「好き」って言えばいいんじゃない?「このシーン好きだわ」とか、「この決め台詞好き〜」とか」 フジモリ 「そのとおり。しかし「好き」という言葉が使われず、「萌え」という言葉が使用されている。その理由として、「好き」という言葉が「萌え」に置換された経緯が、2種類あったのではないかと考えたんだ」 ドクトル 「2種類?「love」「like」の「好き」が「萌え」に置換された場合と、「favorite」の「好き」が「萌え」に置換された場合、ということですか?」 フジモリ 「そう。さっきドクトルが言ったように、「好き」だけれど、「対象に積極的に行動を働くわけではない」場合に、この「萌える」という言葉を当てはめ使われていた。これが「love」「like」の「好き」を「萌え」に置換している場合だ。一方で、「favorite」として「好き」でありながらも、「はっきりとした意思表明を避けた表現をする」場合に「萌え」という言葉を使用することもある、この2種類が混在しているので、今の「萌え」という言葉の意味が錯綜してしまっている、また幅広く使われすぎている原因ではないかと思っている」 舞奈 「はっきりとした意思表明の回避?」 ドクトル 「ああ。今で言うと、「私、焼酎が好き」というはっきりとした表現を避け、「私、焼酎系が好き」と言うのと同じ、ということですね」 フジモリ 「「系」ってなんだよ!銀河系か!って突っ込みたくなるような表現だよね。あと、「私って○○じゃないですか〜」って言うのも同じ。「私って○○なんですよ」という断定表現、はっきりした意思表現を避け、ぼかしているわけだ。あれ、言われるたびに「じゃないですかって言われても、お前のことなんて知らんわ!」って突っ込みたくなるよね」 舞奈 「私怨ですか?」 ドクトル 「経験則ですよね」 フジモリ 「例え話だって!話進めます。こういう曖昧表現って多いけど、この「萌え」っていうのもその中の一つで、例えば「こういうシーン、好きだな」あるいは「○○(キャラクタ名)好きだわぁ」という断定表現を避け、「こういうシーン萌え」とか「○○萌え」とぼかすことで、相手との間合いを取り、不要な争いを避けようとしているわけだ。「嫌い」の代わりに「萎え」という言葉を使う、というのも一緒だね」 舞奈 「まあ、確かに、「萌え」という言葉を「好き」と言っても意味は通じるけど、あまりに直接的過ぎるもんね。「love」「like」の置換で言えば、「フジモリは『眼鏡っ娘』好きだ」って言うと、フジモリの周りから半径1km以内に眼鏡っ娘を近づけちゃいけないように思えるもの。まあ、実際近づけちゃだめなんだけど」 フジモリ 「またそれかよ!しかも実際に近づけちゃだめなのかよ!」 ドクトル 「そうですよ。半径2kmぐらいにしないと危険ですよ」 フジモリ 「倍になるのかよ!・・・で、後者の場合、「favorite」と同義でありながら曖昧表現として置換する「萌え」だけど、「萌え」という形容動詞的に用い、「私は○○が好きなのですよ」と自分の立ち位置を伝えられる。自身のステータスを「慎み深く」表現できるわけだ。しかも「萌え」という言葉を知っていること自体「自分はあなたの仲間ですよ」という「文法」が働き、同じ世界にいるということも表現できる」 舞奈 「なるほど。「萌え」って使うと、仲間意識を相手に与えることが出来るって訳ね。それこそ、「好き」「お気に入り」という言葉を「萌え」という単語に翻訳しているってことか」 フジモリ 「そういうこと。と、いうわけで、フジモリ流「萌え」の定義その三。
整理すると、こんな感じかな」 ![]() ドクトル 「同じ「萌え」でも「love」「like」という「擬似的な恋愛感情を抱く」ほどの「萌え」と、「favorite」という「お気に入りである」レベルである「萌え」と、2種類あるってことですね。そうなると、厄介なのが対象が「キャラクタ」「属性」でありながら「favorite」として使用する場合の「萌え」ですね」 舞奈 「つまり、フジモリの「『眼鏡っ娘』萌え」っていうのと他の人の「『眼鏡っ娘』萌え」では温度差がある可能性があって、「love」「like」での強弱ならともかく、相手が「favorite」という意味で使用してたらフジモリの熱いトークにどん引きする可能性があるってことね」 フジモリ 「眼鏡っ娘萌えが確定事項になっちゃってるよ!・・・意味は合ってるんだけどね。まあ、今までの話はフジモリの個人的見解なんで異論反論あると思うけど、その際はメール、ないし掲示板でご意見ください」 ドクトル 「これで「萌え」の定義は終わりですよね。次回はなにを語るんですか?」 フジモリ 「うん。次回(最終回)は「萌えとは何ぞや?」実践編だ。第2回で語った「「属性」の組み合わせで「キャラクタ」は生み出せない」を検証するために、ある実験をしてみたいと思う」 舞奈 「いよいよ最終回ね。うーん、『最終回』燃え〜」 フジモリ 「3回目かよ!・・・って、そっちの「燃え」かよ!」 舞奈 「♪燃やせ〜燃やせ〜真っ赤に燃やせ〜」 フジモリ 「しかも歌っちゃってるよ!この人!」 ドクトル 「♪怒るぅ〜心に火をつけろぉ〜」 フジモリ 「お前もかよ!・・じゃあフジモリも。♪倒せ〜倒せ〜力の限りっ♪お前の空手を見せてやれ〜!」 舞奈・ドクトル 「「♪す〜なの〜あっらっしっにぃ〜かぁ〜くさぁ〜れた〜」」 フジモリ 「曲変わっちゃってるよ!ダイモスがバビルの塔に住んじゃってるよ!」 |
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| …目次… 【特集】萌えとは何ぞや?(その1) 【特集】萌えとは何ぞや?(その2) 【特集】萌えとは何ぞや?(その3) 【特集】萌えとは何ぞや?(その4) 【特集】萌えとは何ぞや?(その5) 三軒茶屋実験室 〜萌えデータベース〜 |
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