週刊三軒茶屋 第48号 著作:フジモリ 公開日:2005/04/02

【特集】萌えとは何ぞや?(その1)

フジモリ 「どーも。フジモリです」

舞奈 「舞奈です」

ドクトル 「ドクトルです」

フジモリ 「さて、今回の週刊さんちゃは、全4回(番外編含め全5回)にわたって「萌え」について語ってみたいと思う」

ドクトル 「長いですね」

舞奈 「ほんとオタクって語るのが好きね」

フジモリ 「う、事実なので何も言い返せないところが痛い。ま、まあ、語るというよりも「萌え」に対する再定義の提示という感じだね」

舞奈 「再定義?そりゃまた大仰ね。どんなことを語るの?」

フジモリ 「うん。フジモリなりに考えた、「萌えとは何ぞや?」という話だ。本来ならその前に「萌え」という言葉が生まれた歴史を説明しなければいけないんだけど、その部分は他のサイトでも紹介されているし、諸説あるので省略する。あと、今回から始まる「萌え」の話は男性の視点から見た「萌え」だという前提なので、ご注意ください。・・・ではいきなりだけど、現在の「萌え」の定義だ。ドクトル、お願い」

ドクトル 「はいはい。分析、データは私の担当ですので。引用はgooの新語辞典から。

<もえ 【萌え】>
(1)マンガ・アニメ・ゲームの少女キャラなどに,疑似恋愛的な好意を抱く様子。特に「おたく好み」の要素(猫耳・巫女(みこ)などの外見,ドジ・強気などの性格,幼馴染み・妹などの状況)への好意や,それを有するキャラクターへの好意をさす。対象への到達がかなわぬニュアンスもある。
〔語源は,アニメ作品のヒロイン名とする説,「燃える」の誤変換とする説など,諸説ある〕

(2)(1)が転じて,単に何かが好きな様子。または何かに熱中している様子。

という感じですね」

舞奈 「用例:フジモリは「『眼鏡っ娘』−−」だ」

フジモリ 「勝手に人の萌え対象決めるなよ!読者が勘違いしたらどうするんだよ!」

舞奈 「え?違うの?」

フジモリ 「違うって!フジモリはむしろ・・・!、危ない危ない。思わず本音を漏らすとこだった」

舞奈 「ちっ」

フジモリ 「「ちっ」って何だよ」

舞奈 「まあまあ。でもまあ、押しなべてこの定義のとおりじゃない?「1.擬似的な恋愛感情」と「2.対象を好きな様子」。もともと1が一般的だったんだけど、2の意味でも使われるようになったって感じね」

ドクトル 「1が「対象に対し擬似的な恋愛感情を抱く」という「萌える」という他動詞から発展し、「萌え」が「萌える状態である」という形容動詞から発展したと考えると、これ1語で両方の品詞を兼ねるのですから使い勝手がいいですもんね」

フジモリ 「そうだね。逆に言うと、使い勝手が良いあまり様々な意味で使われすぎて、収拾がつかなくなっているという感もある。なので、一旦この言葉を本来の意味である「love」「like」という意味での「萌える」と「favorite」という意味での「萌え」という二種類に分け、それぞれの意味を再検証してみたい」

舞奈 「なかなか本格的ね。「『本格的』萌え〜」ってやつね」

フジモリ 「わけわかんないよ!」

ドクトル 「・・・話進めますね。その前に、「萌える」「萌え」とまぜこぜに使ってますので、整理しちゃいましょう。「萌え」は「萌える」という他動詞から「る」を抜いて、形容動詞的に使っている言葉です。「静か」「親切」などと同じく、語尾に「−だ」「−です」などを付けて初めて形容動詞になり、語素として名詞の下に付いて複合語を成すのが「萌え」です。品詞こそ違えど、本質的な意味は同じと考えていきます」

フジモリ 「そうだね。もっと言うと、「萌え」は「萌えている」状態を表す言葉で、「甘いもの好き」の「好き」に近い、ということだ」

ドクトル 「で、まず「love」「like」という意味での「萌え」ですが、先ほどの新語辞典では「擬似的な恋愛感情を抱く」様子を表すといっていますが、そもそも、「擬似的な恋愛感情」という言い方をして良いのですか?」

フジモリ 「それはいいと思うよ。語源自体がマンガ(あるいはアニメ)キャラという「非実在の存在」を好きになることだったから。ただし、この擬似的な恋愛感情も更に細分化する必要がある」

舞奈 「対象が巫女か眼鏡っ娘かということね」

フジモリ 「違うって!また眼鏡っ娘かよ!」

ドクトル 「そうですよ!巫女で眼鏡っ娘もいますから、その分類は成り立ちませんよ!」

フジモリ 「そういうツッコミじゃないって!身内も見てるんだから、フジモリのイメージ落とすようなことやめようよ!」

舞奈 「もう遅いって」

ドクトル 「もう遅いですよ」

フジモリ 「ふ、二人して即答せんでも。・・・まあいいや、とりあえず続けます。この「擬似的な恋愛感情を抱く」という意味での「萌える」だけど、「love」「like」と同じく他動詞であり、当然ながら「対象」が存在するわけだ」

舞奈 「だから、それが巫女か眼鏡っ娘かってことじゃないの?」

フジモリ 「だからやめろって!・・・えーっと、その「対象」だが、大きく分けて2つ。「キャラクタ」と「属性」だ」

舞奈 「キャラクタと属性?」

フジモリ 「そう。「キャラクタ」に対して「萌える」場合、対象は人を含む動物、モノであるわけだ。例で言えば、「真宮寺さくらに萌える」あるいは「真宮寺さくら萌え」っていう使い方」

舞奈 「なんで真宮寺さくらなのかについてはスルーしてあげるわ」

フジモリ 「ツッこんでくれよ!ここは逆にツッコミどころなんだから!」

ドクトル 「フジモリさんって「サクラ大戦」好きですもんね」

フジモリ 「そういう冷めた視点でツッこむのもやめて!えーっと、真宮寺さくらなのは次の例として繋げやすいからだ。で、話戻して、「キャラクタ」に対して「萌える」(=「キャラクタ」に対する「萌え」)の場合、イコール「恋愛感情を抱く」という意味だ。当然ながらこの「恋愛感情」にも強弱あり、それこそ「love」「like」と同じく、「かわいいなと思うレベル」から「性的欲情を抱くレベル」まで様々だ。これは実際の「恋愛感情」も同様だと思うしね」

舞奈 「なんか生々しいわね」

フジモリ 「で、強弱レベルは違えど、この「恋愛感情を抱く」という意味での「萌える」、いずれの場合も対象に対しての一方的な感情だということは共通している」

ドクトル 「?、恋愛感情というのは一方的なものでしょう?見返りを求めたらその時点で恋愛感情ではなくなると思うのですが?」

フジモリ 「極端な意見だなぁ。えーっと、フジモリが言っているのはそういう意味ではなくて、なんというか、いわば「絶対失恋しない片思い」っていう意味」

舞奈 「・・・なるほど。「非実在の存在」に恋するということ、相手は非実在だから決して思いが伝わることもないけど逆に思いを拒絶される心配もない。本人は安心して「好きでいられる」わけね」

ドクトル 「?、でも、実在の人物に「萌える」ことだってあるんじゃないですか?」

舞奈 「でも、対象はアイドルなど、言わば「偶像」、手の届かない存在でしょ。または近所の子とか」

フジモリ 「いや、近所の子はヤバイだろ」

ドクトル 「まあ、いずれにしても「萌えている」時は自分からアプローチはしないですもんね。例えるなら、「憧れる」または「遠くから眺めている」状態」

フジモリ 「その通り。「萌える」の第一義的な意味、「キャラクタに擬似的な恋愛感情を抱く」という状態は「アイドルに憧れる」状態とほぼ同義、さらに遡ると「神を信仰する」のと同じ起源であり(byアイヨシ)、本質的には昔から面々と受け継がれている感情なんだ」

舞奈 「逆に言うと、そんな憧れの「キャラクタ」とバーチャルとはいえ実際に恋愛を体験できる(=恋愛感情を成就できる)んで、人々はギャルゲーにはまるわけね」

フジモリ 「そういうこと。というわけでフジモリ流「萌え」の定義その一。

<萌える(他動詞)>
実在、または非実在の対象(キャラクタ)に対して、恋愛感情を抱くこと。そのレベルは「かわいいと思う」から「性的欲情を抱く」まで様々。多くの場合、対象に対して抱く恋愛感情は成就されないことを認識しているが、対象に対して直接感情を伝えない(または伝える術がない)ので拒否される心配がないため、本人は安心して恋愛感情を抱くことが出来る。

という感じかな」

舞奈 「なんか「悪魔の辞典」みたいね」

フジモリ 「まあ、悪意はないので気にしないでくれ。で、次回はもう一つの対象、「属性」に対して「萌える」場合について語っていきたい」

舞奈 「続くのね。うーん、『続き』萌え〜」

フジモリ 「だからわけわかんないって!」

…目次…

【特集】萌えとは何ぞや?(その1)
【特集】萌えとは何ぞや?(その2)
【特集】萌えとは何ぞや?(その3)
【特集】萌えとは何ぞや?(その4)
【特集】萌えとは何ぞや?(その5)

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