第36号 著作:アイヨシ・フジモリ 公開日:2004/11/24

オンラインゲームでの「言論の自由」
当記事は「号外さんちゃ」でのフジモリ・アイヨシのやりとりを再録です。

<2004年11月04日(木) フジモリ>

多人数オンラインゲームでの「言論の自由」

〜〜引用ここから〜〜

 ニューヨーク発――多人数同時参加型オンライン・ロールプレイング・ゲーム『A Tale in the Desert』で先頃、ある騒動が持ち上がった。ゲーム内の1人の商人が、女性には品物を売らないと宣言し、さらに、ある女性キャラクターを売り物かと問いかけたのがことの発端だ。

 ゲームの開発者たちがこの商人に対して断固たる反対姿勢を示さなかったため、多くのプレイヤーは、ゲームの世界でこんなに差別的で女性を馬鹿にした態度がまかり通っていることに激怒した。しかし、実はこの商人はゲームの本当のプレイヤーではなく、開発者たちが意図的に送り込んだノン・プレイヤー・キャラクター(NPC)だった。ともすれば礼儀正しすぎる仮想世界に論争の種をまこうとしたのだ。

〜〜引用ここまで〜〜

これ、PCがこういう言動とったら訴えられてもおかしくないですよね。
NPCだったら開発会社を訴えるのかな?
でも、普通のRPGとかでこういう仕打ちを受けたりした場合はどうなんだろ?

整理しますと、

1.オンラインゲーム上で他のPCから暴言(差別発言など)を受けた場合
2.オンラインゲームでNPCから暴言を受けた場合
3.普通のゲーム(あえて「オフラインゲーム」と呼びます)でNPCから暴言を受けた場合

1の場合はプレイヤーを、2.3の場合は開発会社を訴えられるんでしょうか?教えて、アイヨシ!(笑)


<2004年11月05日(金) アイヨシ>

多人数オンラインゲームでの「言論の自由」についてですが、教えてと言われても、そんな問題を扱った学説・論文なんて聞いたことがないので、自分で考えるしかありません(笑)。

とりあえずゲームは置いといて、現実社会での一般論として、女性だから物を売らないなんてことをして民事で訴えられたら、まず勝ち目がありません。ただ、商売において男性・女性に全く平等でなければならないのかといえば、現実はそうではありません。映画館や居酒屋なんかだと女性にはサービス料金って感じの値段設定をよく見かけますし。これらは、私的自治の原則の範囲内として許されている、ってことになるんだと思います。

で、オンラインゲームです。
軽くネットサーフィンしてみましたが、所詮ゲームじゃん、って論調が比較的多かったように思います(当社比)。それはつまり、現実社会とオンラインゲームの場合では、倫理観に差があるのが普通だからだと思います。

例えば、キャラクタ同士で殺しあうことが是認されている場合に、殺すのがOKなのに差別的商売がダメなんてナンセンスだろうという考え方もあると思います。それに、いわゆるファンタジーには王様とか女王様とかいたりしますが、これだって平等主義に反すると言われたらそれまでです。現実とは違う価値観に基づいた行動が許されてこそのゲームだろ、ってのは確かにそうだと思います。

また、匿名性が前提とされるオンラインゲームの場合、キャラクタの人格=プレイヤーの人格とは限りません。キャラクタにおいて”性別”とはパラメータのひとつに過ぎませんから、男性プレイヤーが女性キャラクタを演じていることもあるでしょう。そうしたときに、女性性を理由に差別的接触を受けたとしても、”女性としての尊厳を傷つけられた”とそのプレイヤーが主張することには正直違和感を感じます。もっとも、パラメータといっても、それは現実社会に実際にある価値観というか基準をゲーム世界に投影したものですから、現実へのフィードバックということも当然考えられますし、何をやっても問題ないとは思いません。

つまり、現実世界での場合とは違って、ゲーム世界と現実社会とで許されうる倫理観のギャップが埋まってしまい、キャラクタとして許容すべき精神的苦痛を超えたプレイヤーとしての精神的苦痛として認定すべき場合が法的な問題として浮上してくると思います。

何を言ってるんだか自分でも良く分からないところがあるので具体的に考えてみましょう。問題となっているゲームがどんなゲームなのか良く分からないので無茶なことかも知れないのですが、キャラクタとして解決する場合、女性に物を売らないキャラが気に入らないのであれば、そいつを殺してしまって問題解決! ってのもアリじゃないでしょうか(笑)。

また、プレイヤーの立場からの解決として、管理者などに交渉したりして、問題解決の調停役になってもらうという方法もあるでしょう。これによってゲームと現実との倫理観のギャップがどの程度まで許されるのか、ということが確定されていくと思います。

したがって、フジモリの問題提起に即して解答してみると、まず1.と2.ですが、そのキャラがPCであろうとNPCであろうと、あまり変わらないと思います。ただ、NPCの場合、ゲーム管理者側がトラブルメーカーになっちゃってますので、適切な交渉役を見つけるのがちょっと難しいかもしれません。何れにしても、個人的には殺してしまうことをオススメします(笑)。

で、3.のオフラインゲームの場合(広いなぁ〜)ですが、キャラとプレイヤーの境界が曖昧ですから、一種のセクシャルハラスメントのような状況が発生すると思います。労働関係においては違法ですが、ゲーム関係では即違法とはなりません。

以上ですが、答えになってるんだかなってないんだか(←自分で言うな)。
異論反論大募集です。



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