週刊三軒茶屋 第26号 著作:フジモリ 公開日:2004/05/28

オススメクラシック(再録)


クラシック【classic】
(もと「第一級の」の意)
 1.古典。古典的な名作。
 2.古典的。古雅なさま。「―‐カー」
 3.西洋の古典音楽。
(広辞苑より)


ただし、今回はクラシックを「(古典・現代曲を問わず)管弦楽曲、合唱曲」と(強引に)定義し、幅広く紹介していきたいと思います。


メージャ 「さて、今回の「週刊三軒茶屋」は趣向を変えて、フジモリおすすめのクラシックを紹介します」

舞奈 「私も紹介します」

メージャ 「舞奈(マイノリティ担当)の紹介か・・・。かなり不安だな」

舞奈 「むかっ。失礼ね。私だってクラシックの一つや二つ紹介できるわよ。ただ、入手困難な曲が多いだけで」

メージャ 「だから不安なんだよ。ただ、普通のクラシックは今後週刊さんちゃでたけいが紹介していくと思うんで、俺たちはちょっと異なる趣向で紹介したい。では、まず一つ目。ワーグナーの歌劇「ニーベルンゲンの指輪」より、『ワルキューレの騎行』だ」

舞奈 「ほんとにメジャーどころね」

メージャ 「だろ?ワーグナーとか「ワルキューレの騎行」とか、聞いたことはある人も多いと思う」

舞奈 「ブギーポップが「マイスタージンガー」を口笛で吹いてたわね」

メージャ 「話をマニアックな方向に持っていかない。この曲、CMなどいろいろなところで使われている。荘厳な曲だ。大音量で聞いて欲しい。曲にあわせて体が勝手に指揮を振ってしまう、いかにも「クラシック」という曲だ」

舞奈 「なら、私もおすすめを。R.Murray Schaferの『A Garden of Bells』です」

メージャ 「・・・なに、それ?」

舞奈 「シェーファーという合唱曲の作曲家のCD。この人の曲の凄いところは、合唱なのに歌詞が一切ないこと。人間を楽器にみたて、それで交響曲を作っているようなものね。CDタイトルにもなっている「A Garden of Bells」は、合唱でベルを表現してるの。肉声を楽器としてみると、どの楽器にも出せない独特の音になるわ。合唱というとミサ曲というイメージがあるけど、この曲集はそういう既成概念を吹き飛ばす凄いものです。ただ、普通のCD屋では間違いなく売っていないと思いますので、興味もたれた方は予約、取り寄せで手に入れてください」

メージャ 「不親切だな。やはり、ここは誰にでも手に入れる曲にしないと。合唱が入る曲といえば、ヴェルディの『レクイエム』。これは数あるレクイエム(鎮魂歌)の中でも一番お気に入りだ」

舞奈 「ヴェルディって、「リゴレット」「椿姫」「アイーダ」「ファルスタッフ」をはじめとして多くのオペラを作曲したイタリアの大作曲家のことよね。私は「アイーダ」が好きだな」

メージャ 「まあ、あくまで一般に入手しやすい曲になると「レクイエム」になるね。「ワルキューレの騎行」が荘厳なクラシックだとすると、ヴェルディのレクイエム(略してヴェルレクという)は激しいクラシック。舞奈も言ってたけど、ヴェルディはオペラとして有名な作曲家だ。この「レクイエム」は宗教音楽とオペラがうまく融合した至高の一品。全部では1時間半はゆうにかかるんでさすがに全部聞くのは大変だから、ここでは最後の審判を描いた「怒りの日(ディエス・イレ)」をオススメしておこう。激しいよ」

舞奈 「宗教曲といえば、大島ミチルの『御誦』かしらね。「御誦(おらしょ、と読みます)」はオラシオン、祈りのこと。鎖国時代の隠れキリシタンの祈りを描いた曲です。「御誦」は交響曲と合唱曲の2種類があるんだけど、今回私がオススメするのは合唱曲の方。男声合唱とパーカッション、女性のソロによって紡がれるこの曲は荘厳であり、激しい祈りの曲。ただ、この曲はCDではなくぜひ生演奏で聴いて欲しいな。手拍子、脚踏み、そういった舞台効果は生で聴くと一層凄みが増すわ。フジモリも初めて聴いたときは鳥肌が立ったそうよ。邦楽の合唱曲の中では一番の曲だと思ってます」

メージャ 「確かに凄そうだけど・・・。これって、「クラシック」か?」

舞奈 「だから最初に注意書きしたじゃない。交響曲、合唱曲を「クラシック」と定義するって。普通の人って、最近の合唱曲でも「クラシック」って認識してない?本来の言葉の定義からすると、ビートルズも立派な「クラシック」になるけど、やっぱ違和感あるでしょ?」

メージャ 「確かに。なら、ここであれこれ言うのはよそう。ではこちらも合唱曲を。カール・オルフの『カルミナ・ブラーナ』だ。これも鳥肌が立つぞ」

舞奈 「・・・。メージャおすすめの曲って、激しい曲が多くない?」

メージャ 「意図的にそうしてる。クラシックって聞くと落ち着いた曲のイメージがあるけど、そういう「コンサートに聞きに行ったらつい寝てしまった」的な曲ではなく、初心者向けの「聴いててテンションが上がる曲」をオススメしたい。玄人は静かな曲も好むけど、やはりクラシックに入門するにはこういうメジャーで激しい曲からだね」

舞奈 「そういう意味ではこの曲もかなり激しいわね」

メージャ 「多彩な楽器(特に打楽器)に、混声合唱。激しいぞ。今まで紹介した中では、一番原始的かもね」

舞奈 「(「御誦」の方がプリミティヴだと思うけど)私が最後に薦めるのは『ANCIENT VOICES VOX SACRA』。輸入盤ね。もう一回入手しろと言われても不可能な一品(笑)」

メージャ 「おーい」

舞奈 「このCDは、「Anonymous 4」「Ensemble Organum」「Sceur Marie Keyrouz」の3組による曲集。なにしろ、声が絶品なんです。曲は中世ヨーロッパの宗教曲という感じで、聞いてると1000年以上も昔にタイムトリップした気分になること請け合いね」

メージャ 「まあ、いいことはいいけど、入手できなければ意味ないだろ。こっちのおすすめはメジャーな曲、ショスタコーヴィチの『交響曲第5番ニ短調 作品47』だ。これは純粋な管弦楽曲。特に第4楽章の「アレグロ・ノン・トロッポ」がおすすめだ。テンポがよく、激しい」

舞奈 「激しい激しいばかりで、他の感想はないの?」

メージャ 「今回のコンセプトなんだからしょうがない。こういった曲から、「クラシックって面白いな」と興味を持ってもらい他の曲にも興味を持ってもらえたらうれしいな」

舞奈 「私のおすすめ曲は?」

メージャ 「だから、入手できなきゃ意味がないんだって!」


 このコラムは、以前にこのサイトで公開されていた記事を改版したものです。使いまわしですが、ご容赦下さい。



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