週刊三軒茶屋 第21号 著作:アイヨシ 公開日:2002/11/05

ショートショート四方山話

2002年10月7日に当HP『三軒茶屋』がリニューアルされました。

それにともなってコンテンツも変更・整理されました。その一環として、今までアイヨシがキリ番記念としてショートショート(以下SS)を細々で公開していた『アイヨシのショート・ショート・ショー』だったものが、新たに『三軒茶屋ショート・ショート・ショー』と格上げされて、アイヨシだけでなくフジモリ・たけいも自作SSを公開する場に生まれ変わりました。そんなわけで、作品の感想については、個々の作品の作者指名でお願いします。アイヨシには責任の持てないテーマを扱ったものがあったりしますので(笑)。

SSとは何でしょう?定義としては短編小説より短い小説ということになるでしょうが、では、具体的に何字以下のものをいうのでしょうか?ハッキリした基準は知りませんが、アイヨシ個人の基準としては、4000字(原稿用紙10枚)以下を一応の基準としています。理由は、星新一・編(現在は阿刀田高が担当)『ショートショートの広場』(講談社文庫)の作品の基準がそれだからです。で、この基準によりますと、『完全犯罪』だけは総字数が4313字でオーバーしてしまっているのですが…大目に見て下さい(トホホ)。

SSと超短編とは違うものなのでしょうか?

アイヨシは同じものだと思っているのですが、ネットサーフィンをしていますと、『超短編』という言葉を使っているHPをちょくちょく見かけます。

『超短編アンソロジー』(ちくま文庫)の編者である本間祐によれば、ショートショートと超短編は別物とされています。最も、両者の区別について、超短編の定義は難しく、本書の作品群をお読みいただくのが一番(同書p212参照)とされていますので、これだけではよくわかりません。

実際に同書収録作品を読んでみますと、スーパー・ショート・ショートとでもいうような、かなり短い作品群ばかりが多いことはいえます。したがって、4000字よりもさらに厳しい字数制限が自然と課されることは間違いないと思います。それと、物語の性質として、オチというより、ほのかな余韻を残す作品が多いようにも思います。もっとも、起承転結という典型的な物語の流れを作るためには、短いとはいえある程度の長さが必要なため、超SSにオチらしいオチがないのは当然ともいえます。しかし、このような要素を持った既存のSSも存在していますので、超短編について、SSの概念と区別しなければならないほどの必然性をアイヨシは感じていません。

とにかく、三軒茶屋では、超短編という概念があることは意識しつつも、「とても短い小説」というようなニュアンスで、SSに統一していますが、形式的なことは抜きにして、中身を楽しんでいただければ幸いです。

SSは、インターネットという情報媒体に適していると思います。昨今、出版不況が叫ばれていますが、それ以上にオンライン小説は苦戦を強いられているようです。かくいうアイヨシも、オンライン小説を有料でダウンロードしたことは一度もありませんし、ネットの長編小説を読み切ったこともありません。

これはいったい何故でしょう。大別して三つの理由があると勝手に考えています。

ひとつは習慣というか習性として、「小説は本で読むもの」という常識が身についてしまっているのではないか?(T説)という説です。もしこれが正しいのならば、学校教育が(特に国語)がパソコンで行われるようになれば、オンライン小説が主流になるでしょう。でも無理そう…。

もうひとつは、人間は、先の見えない物語を楽しむことができないのではないか?という説(U説)です。どんなに長い小説でも、本という形式であれば、一枚一枚ページをめくることによって、自分は物語のどの辺を読んでいるのかを、否応なしに知ることになります。したがって、物語が結末を迎えるにあたって、無意識に心の準備を済ませてしまっていて、しかもそれが物語を頭の中で消化するための必要な作業となっていると思われます。

この点、オンライン小説だと、いつ終わるのかが内容だけでしか判断できません。それはそれで緊張感を強いられてプラスに作用することも考えられますが、油断していたり、自分で勝手に物語の続きを予想してしまっていると「もう終わり?」という欲求不満に陥ってしまうことも考えられます(経験者談)。

しかし、SSの場合は字数が短いという暗黙のお約束があるので、いつ終わってもおかしくないですし、そもそも1画面で物語が終わってしまっていることも多いので、そうした失敗をしなくて済みます。

最後に、『本』そのものに愛着・利便性があるという説(V説)も考えられます。『本』という物質を手にとってページをめくる作業は、何となくですが、箱の中を覗いているような感じがして、物語という閉鎖空間に没頭しやすくする作用があると思います。

でも、これだけならオンライン小説だって健闘していると思いますし、そもそもの出版不況の説明が面倒なので(笑)、個人的にはU説が本命ということにしておきます。

SSは便利です。あるテーマについて語りたい場合に、物語という表現方法を採ることによって、ときに間接的にオブラートに包んで、ときに直接的に斬り込むように表現することができるのが面白いです。もちろん、テーマといえないような曖昧模糊とした感じのものも、物語化することによって何となく表現することが可能です。

SSは難しいです。「短い」文章をつらつらと書いたりしますと、エッセイや詩になってしまう危険があります。もちろん、それはそれで構わないのですが、SSと名乗る以上は、物語性がないといけません。そのためには、あるネタをSSにしようとするときに、その必然性があること、あるいは、それを見つけることが必要になります。一番手っ取り早い方法は、会話形式にすることでしょうか?

とはいえ、まずは書いてみることが一番だと思います。

そんなこんなでSSですが、基本的には思いつきで書いています(コラコラ)。ストーリーの組み立てに頭を痛めたり、言葉の選択に迷ったりしますが、試行錯誤しながらも適当なところで決断して作品にしています。そんなわけなので、手応えが欲しかったりします。

…要は感想が欲しいです(笑)。一言でもたくさんでも、どんな感想でも良いので、よろしくお願いします(ペコリ)。



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