週刊三軒茶屋 第3号 : フジモリ

病は「気合い」で治せるか?

フジモリ 「さて、2週間ぶりの「週刊 さんちゃ」です」

御影 「週刊、ゆぅたそばから早速さぼってんねんな」

フジモリ 「さぼったんじゃないよ。先週は、病院で検査してもらってたんだ」

御影 「検査ぁ?なんかあったん?」

フジモリ 「うん。1ヶ月ほど前から背中が痛くって。しまいには椅子に寄りかかれなくなったぐらいだ」

御影 「筋肉痛ちゃうん?」

フジモリ 「2週間ほど湿布を貼ったんだけど効果なし。で、周りの人に聞いたら、「内臓が原因じゃないの?」とか、「同じように腰が痛くって検査してもらったら、白血病って診断された人がいたよ」とかおどされたわけだ」

御影 「こ、怖ぁ」

フジモリ 「そうでなくても、フジモリは「骨折に4ヶ月気付かなかった」という前科があったんで・・・」

御影 「おいっ!ちょぉ待て!さらっと流しとぉけど、骨折に4ヶ月気付かなかったなんてことあるんか!?」

フジモリ 「うむ。2月にスキーをして、大激突。その後、青痣はひいたんだけど、妙に左手首が痛いわけだ」

御影 「病院行かへんかったん?」

フジモリ 「打撲だろうと思って、そのまま放置しといたんだ。しかし、4ヶ月たっても痛みはひかない。痛みといっても、手首を曲げるとしくしく痛む程度なんで、日常生活に支障は無かったからね。で、念のため、医者に診てもらおうと思ってレントゲンを撮ったら、「ああ、骨が折れてますね」「このまま放置しておくと、変な形で分離しちゃいますよ」と言われてしまったわけだ」

御影 「よぉそこまでほっぽっといたなぁ」

フジモリ 「自分でもびっくりだよ。それで、手術の必要があったんだけど、当時どうしても長期入院できない理由があったんで、手術一日、治療一日の計2日間だけ入院した、という顛末だ」

御影 「し、手術して2日間しか入院せんかったんか・・・」

フジモリ 「あの頃は若かったなぁ・・・(遠い目)。まあ、そんなことがあったんで、念には念を入れて病院で背中を診てもらった、というのが今回の経緯」

御影 「ふうん。で、どやったん?不治の病か?難易度9か?」

フジモリ 「よくわかんないボケだなぁ。結果は、内臓には異常なし。ま、食欲もあったし、当たり前といえば当たり前の結果だったんだけどね」

御影 「結局筋肉痛かいっ!」

フジモリ 「悪い姿勢でパソコンにずっと向かっていると背中の筋を痛めるんだそうだ。もらった薬を背中に塗って、背筋を伸ばして仕事してたらだんだん良くなってきたよ」

御影 「ほんま、人騒がせやなぁ」

フジモリ 「しかし、何もなかったから良かったものの、やはり健康ってのはお金では買えない財産だと思ったよ。というわけで、前ふりが長くなってしまったけど、今日の話題は「プラシーボ(偽薬)」についてだ」

御影 「ああ、プラシーボ効果のプラシーボやね」

フジモリ 「そう。プラシーボ(Placebo)の語源はラテン語の「I shall please」(私は喜ばせるでしょう)に由来しているそうだ。そこから患者さんを喜ばせることを目的とした、薬理作用のない薬のことを指すようになった。通常、医学の世界では乳糖や澱粉、生理食塩水が使わるそうなんだけど、プラシーボ効果(反応)は、このような薬理作用のない薬(偽薬)を与えることによってもたらされる治療効果(あるいは副作用)のことを言うんだ」

御影 「病は気から、ゆぅけど、それを具現化したような話やな」

フジモリ 「そうだね。このプラシーボ効果ってのは一般に浸透していて、心理的な治療効果を意味する言葉として日常会話なんかでたまに見うけられる」

御影 「ほんまぁ?」

フジモリ 「ほんとほんと。ま、過剰摂取しても意味が無いビタミン剤を飲む人たちも、けっこうプラシーボ効果だと思って飲んでる人がいるんじゃないかな?」

御影 「ああ、あれって、あんま意味無いって聞くもんなぁ。・・・んーで、この「プラシーボ効果」がどしたん?」

フジモリ 「うむ。実はこのプラシーボ(プラセボとも言う)効果、実はほとんど意味がないんだそうだ」

御影 「・・・はぁっ?」

フジモリ 「デンマークで「プラシーボ効果群」と「無治療群」を含む試験群で実験したところ、評価対象となっている項目の平均値にはほとんど差は無く、唯一効果が認められた「経過の推移」という項目でも、「主観的な推移」「客観的な推移」に分類したところ、プラシーボ効果に有用性が見られたのは「主観的な推移」だけだったんだだそうだ」

御影 「・・・それって、良くなったような「気がする」だけなんちゃうん?」

フジモリ 「その通り。気分的に治っているようなつもりでも、実際にはなにもしないのと変わりがない、というわけだ。実験を行ったデンマークCopenhagen大学のAsbjorn Hrobjartsson氏も、「一般的に、プラセボにはほとんど臨床的な作用はない」と結論し、「適切にデザインされた対照試験以外ではプラセボを用いるべきではない」と勧告している。つまり、効果がないものをあたかも効果があるようにみせて患者に飲ませても、やっぱり効果はない、というわけだ」

御影 「なんやわけわからんなぁ」

フジモリ 「ぶっちゃけて言うと、「病は気から」と言って気合いで病気を治したとしても、それは「気がする」だけで本当に病気が治ったわけではない、ということだね」

御影 「うわぁ。今までプラシーボ効果で治ったと「思いこんでた」人やっているんやろぉ?そんな言い方せんでも・・・」

フジモリ 「まあ、一応フォローしておくと、主観的には「プラシーボ効果」は認められているんだから、麻酔と同じように、痛みや自覚症状は軽減できる。しかし、治癒効果が高まっているわけではないから、自然治癒しきれない可能性もあるわけだ。フジモリは今回単なる筋肉痛だけだったから良かったものの、もしシャレにならない病気だったら、自覚症状が出ない分発見も遅れて、ひどいことになっていた可能性だってあったわけだ」

御影 「世のため人のために、そっちの方が良かったんかもなぁ」

フジモリ 「人を社会の害悪のように言うなっ!」

御影 「ほな、あんた、人のため、社会のために生きてるん?」

フジモリ 「・・・いや、どちらかといえば反社会的なのは認めるが・・・」

御影 「みてみぃ。不治の病やったほうがよかったやん」

フジモリ 「いや、もし不治の病だったら、もっと社会のためにすごいことをやってたかもしれんぞ」

御影 「しゃれにならんことをゆぅなっ!」

フジモリ 「冗談、冗談。そんな直接的なことはしないって。とにかく、「気休め」で薬を飲んでも気休めにすらならないということだ。もっとも、普段から健康管理に気をつける必要はないと思うけど、自覚症状が出たら早めに病院で診てもらって、薬をもらったほうがいいね」

御影 「薬局で薬買えばええんちゃうん?」

フジモリ 「うーん。OTC(大衆薬)の話は長くなるから別の機会にするけど、病院でもらう薬のほうがよく効くことは事実。健康が一番なことはもちろんそうなんだけど、何かあったときのことも常に考えた方が良いよ。F1だって、ピットインするタイミングが重要だしね。
 ・・・とまあ、今回は「プラシーボ効果」について話してみました」

御影 「・・・しっかし、フジモリが病院行くなんて、めっちゃ久しぶりちゃうん?」

フジモリ 「さっき言ってた骨折のリハビリ以来だよ」

御影 「ま、病院なんて行かんに越したことないもんなぁ」

フジモリ 「いや、そうでもないぞ」

御影 「?」

フジモリ 「いやあ、フジモリが行ったとき、ちょうどどっかの会社の健康診断だったらしく(しかも女性の部)、若いOLたちがあふれてて、・・・いやあ、良かった。ほんと、病院っていいねぇ」

御影 「いっぺん脳味噌を診断してもらえっ!!」



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