『真実』 著作:アイヨシ 公開日:2002/10/24

 その湖は、昔からお化けの出る湖として知られていた。そこには絶滅したはずの恐竜が一匹、深い霧の中でひっそりと暮らしていた。

 ところがある日、ちょっぴり油断したせいで、人間の子供に見つかってしまった。子供は、「恐竜を見た」と大人たちに話した。

 しかし、大人たちは、「いまどき恐竜なんて生きているわけがない。それはきっとこの湖に伝わるお化けに違いない」と、子供の言うことを全然信じようとしなかった。

 それからすぐに、テレビ局の取材陣が、何としてもお化けをカメラに捉えようと、たちまち湖に押し寄せてきた。恐竜は必死になって逃げた。逃げて隠れて疲れ果て、とうとう死んでしまいお化けになってしまった。

 お化けになった恐竜は、しばらくしてマスコミに見つかってしまった。彼らは、「やっぱりお化けだったんだ」と大喜びだった。



(アイヨシのあとがき)

 そういえば、アザラシのタマちゃんはどこにいってしまったのでしょうか?(笑)

 この作品は、ハッキリしたテーマを持って書きました。冤罪事件です。しかし、そうした要素はこの作品からはほとんど感じられないと思います。そこが良いところだと、自分で思ったりしてます(笑)。




ここに掲載されているショート・ショートの著作権は作者にありますので、無断転載・使用等は不可とします。ただ、相互リンクやHP上でのショート・ショートの相互掲載等のコミュニケーションには気楽に応じるつもりでいますので、よろしくお願いします。



ショート・ショート・ショーTOPページへ