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| フジモリの脳内ラビリンス 〜a labyrinth in fujimori's brain〜 フジモリの競馬観戦記(カブトヤマ記念) |
<競馬場へ行こう!> 競馬をする人もしない人も、競馬場というのは「おっちゃんたちの行くところ」という印象を持っている人が多い。たしかに、以前の競馬場は酒くさいおっちゃんたちが赤鉛筆を耳にはさんでたむろしているいわば「うさんくさい」賭博場であった。しかし、昨今ではJRA(日本中央競馬会)もその意識改革を試み、CMで著名タレントを起用したり大規模な改築を行った結果、競馬場にちらほら若い女性などが来るようになった。 最近の競馬場はとても清潔で遊ぶスペースも多い。芝生に座って観戦する親子もいたりして、ちょっとした娯楽施設に変わりつつある。一回のレースで100円単位から賭けられるため、ゲームセンターよりも楽しめる時間が長いのである。実際、競馬というギャンブルではなく遊び感覚で来ている人も多い。しかしゲームセンターと違ってお金が増える可能性もあるし、なんといっても生で馬が見られる。友達や恋人に競馬に興味を持ってもらいたかったら、競馬場に連れて行くのが一番効果的な方法だと思っている。 このコラムでは、フジモリの競馬場観戦記を題材に競馬場デビューをされる方へのアドバイスをしていこうと思っている。これを読んで競馬場に行きたくなる人が増えたら幸いである。 |
<フジモリ、福島競馬場へ行く> 10月21日、土曜日。フジモリは兼ねてからの計画通り、路上ライブユニット「粋歌」の相方まっつんと福島に向かった。目的は福島競馬場のメインレース、カブトヤマ記念(G3)。競馬好きの二人は、全国競馬場巡りを行っている。昨年は新潟競馬場で新潟記念(G3)を観戦。当時新潟に住んでいたたけいの下宿に泊まり、観光がてら新潟の競馬場を制覇した。今年は福島に行こう、ということになり重賞が行われる土曜日を見計らいスケジュールを立てた。 途中、ドライブインで安達太良山(写真1)を望む。高村光太郎の妻、智恵子が生まれ育った安達太良だ。確かに、ここの空を見ると「東京に空がない」というのもわかる。 福島までは車で4時間ぐらい。ところが途中渋滞に引っかかって現地に着いたのは午後2時だった。そこで、着くなり2時15分発走の第9レース、 檜原湖特別を買うことにした。 フジモリは今回の予算を10000円程度に設定。その配分として、 福島第9レース 2000円 福島第10レース 2000円 福島第11レース(カブトヤマ記念) 3000円 東京第11レース(富士ステークス) 3000円 とした。その他のレースは勝ったら買うことにする。 第9レース。地方の競馬場はたいてい聞いたことのない馬が出る。そのため、直感で適当にピックアップした馬のBOX買いをした。200円の5頭BOXで2000円。さあ、第9レースだ。 レーススタート。フジモリの買った馬の番号を目で追い、最後の直線で抜け出そうな馬を応援。 「行けぇ!差せぇ!」 しかし願い届かず。一着の馬は買っていたものの、あとは総崩れだった。 隣りを見るとまっつんが当てていた。どうやら福島競馬場は逃げ馬有利と見て、逃げ馬を多く絡めた馬券を買っていたようだ。フジモリはマイナス2000円。際先の悪いスタートである。 しかしがんばらねば。 じっちゃん(清造。もと地方競馬騎手)の名にかけて! |
<福島競馬場> 第9レースは慌てて買ったので競馬場自体を見まわす余裕がなかったが、近くに山があり(写真2)、自然を楽しめる競馬場である。 驚いたのが、非常に清潔なこと。清掃が行き渡っていて、タバコを吸うのが悪い気がするぐらい。室内からレースを見ることができる自由席もあり、非常に快適である。 また、人が異常に少ないのにもびっくりした。重賞レースなのに、閑散としているのだ(写真3)。2時に競馬場についたのにゴール前の一番良いポジションに余裕で座ることができた。大丈夫か、福島競馬場。 人が静かなので音がよく響く。まっつんとの話し声がよく通ってしまうぐらい響く。おかげでレースで馬が走る音やレースの合間に職員たちが芝を整備する(写真4)音まで聞くことができた。めったにない良い経験をした。 第10レースは聞いたことのある馬が出てきた。人気していたので配当は低いが1番人気2番人気をワイドと馬連で購入。それぞれの買い方はまた別の機会に説明することにするが、今度はなんとか的中。2000円投資で2800円回収できた。帰ってくる額は少ないが予想が当たると嬉しいものである。 競馬場デビュー、あるいは競馬デビューをする方へ。 とりあえず一度当ててしまおう。1番人気2番人気のワイドを買えばいつかは当たる。当てることの喜びがわかれば、競馬が楽しくなり、はまっていくことだろう。 |
<パドックに行こう!> 第11レースはこの日のメインレース、カブトヤマ記念。 そこで、まっつんとパドックを見に行くことにした。 パドックとは、「(厩舎に付設した放牧場の意から) 競馬場の下見所。出走前に馬の状態を観客に見せる場所」のことである。玄人はここで馬の状態を確認し予想するわけだが、ただ単に馬が生で近くに見ることのできる場所ととらえても良い。馬のつぶらな瞳を見るだけでも、パドックに行く価値がある。 注意点として、馬は非常に臆病な生き物なので、驚かせてはいけないということだ。カメラのフラッシュはもってのほか。静かにこれから走るお馬さんたちを見守ってあげよう。 福島競馬場のパドックは室内にある。(写真5)運良く最前列にいくことができたので、じっくり見学。フジモリの本命、ゼッケン2番のミホギャラリーも調子が良いようだ。(写真6) パドックで確認したのち、予想を検討。 ミホギャラリーを含む3頭をピックアップ。馬連BOXを購入。ついでにさっき勝ったので逃げ馬で残ったら面白そうな馬を選び複勝を購入。 さて、いよいよメインレースのスタートである。 |
<カブトヤマ記念> カブトヤマ記念がスタートする。 重賞レースなので、鼓笛隊によるファンファーレが演奏される。 他のレース場ならこのファンファーレに合わせて観客がいっせいに手拍子をするのだが、福島競馬場は客がまばら。しかも手拍子をするという習慣がないのか妙に静かである。とても重賞レースとは思えない。ほんとに大丈夫か、福島競馬場。 ガコン、という音とともにゲートが開き、各馬いっせいにスタート。 目の前を地響きと蹄が地面を叩く音とともに馬たちが通りすぎていく。(写真7) 先頭はショーザランニング。予想通りこの馬が逃げる展開。大逃げもせず淡々とレースは進む。 第4コーナーを回って最後の直線に入る。先頭は依然ショーザランニング。 「そのまま!そのまま!」 まっつんが叫ぶ。どうやらショーザランニングを買っているらしい。 「そのまま!そのまま!」 しかし先頭集団から1番人気のゴーイングスズカが抜け出る。フジモリ&まっつんの本命ミホギャラリーは伸びない! ここで中団から10番の馬が抜け出た! 速い脚で一気にゴーイングスズカを差し切る!そのままゴール! 1着は10番! ・・・・・・誰? 手持ちの競馬新聞を見る。すると、「10番、ヘッドシップ」と書かれていた。どこかで聞いたことがある、と思ったら、気になって複勝を買っていた馬であった。久しぶりに着た服のポケットに小銭が入ってたような嬉しさがこみ上げる。複勝は4倍ぐらい。500円賭けていたので、ややマイナスにはなったものの少し負け分を補填することができた。 |
<他の競馬場のレースも見よう!> 競馬場ではターフビジョンというでかいスクリーンで他の競馬場のレースを見ることもできる。レースとレースの間隔は結構空いているので、暇つぶしに他の競馬場のレースを見るのも面白い。今日は11月に行われるG1、マイルチャンピオンシップの前哨線である富士ステークスが府中で行われる。4頭ピックアップして購入。大スクリーンでレースを観戦した。中継映像とはいえ、レースで声援をかけるのは同じ。フジモリの買った馬が後方から一気に追い上げる。 「差せ!差せ!」 結果は見事的中。500円の80倍、40000円を稼ぎ、福島の旅費の元をとることが出来た。このレースで勝った馬、ダイワカーリアンはG1でも買う予定だったので、良いデータが収集できた。 思わずガッツポーズ。(写真8) 競馬場には競馬をするスペース以外にもさまざまな施設がある。今回は競馬をしただけだったが、そういうところで遊んでも面白い。競馬だけをしたい人は他の競馬場のレースもやりながらどっぷりと競馬に漬かれるし、競馬ばかりじゃやだ、という人はポニーなんぞと戯れるのもいいかもしれない。競馬場といっても、競馬以外にも遊ぶスペースはたくさんあるのである。 |
<戦い終わって…> 12レースが終わり(もちろん外した)、本日のプログラムは終了。翌日行われるG1菊花賞を買って福島競馬場をあとにすることにした。 本日の収支は、 支出 福島第9レース 2000円 福島第10レース 2000円 東京第10レース 200円 福島第11レース 3500円 東京第11レース 3000円 福島第12レース 1000円 計 11700円 収入 福島第10レース 1000円(ワイド)X 2.8= 2800円 福島第11レース 500円(複勝) X 4.3= 2150円 東京第11レース 500円(馬連) X82.9=41450円 計 46400円 トータル +34700円 と、本日は大幅な黒字になった。もちろんこういうことは稀で、普通は的中したり外したりしながらプラスマイナス0で終われば良いほうであるし、早朝第1レースから始めて終わる頃には2,3万円マイナスなんてこともある。 とはいっても同じギャンブルであるパチンコなどは30分で2,3万円すってしまう事もあるので、コストパフォーマンス的には非常に良い遊び兼ギャンブルである。 え?まっつんの結果? ええと、いや、ノーコメントという事で。 ただ、この日の夜、フジモリがまっつんに夕食をおごったことだけ付記しておこう。 |
<再び、競馬場に行こう!> 今回はフジモリの福島競馬場観戦記を通じて、競馬場の面白さについて述べた。競馬場の雰囲気、買う側の心理などが少しでも伝わっただろうか。 競馬の知識が全くない人も、競馬好きの人といっしょに行けば親切に教えてくれるだろう。 競馬場はもはや賭博場ではなく、ゲームセンター感覚で気軽に行ける場所になっている。もちろん酒くさいおっちゃんなどはたくさんいるが、基本的にはいい人ばかりであり、話し掛けたら気さくに答えてくれる人もいれば、こちらに気さくに話しかけてくる人もいる。フジモリも話しかけてきたおっちゃん(元競馬記者だそうな)の予想にのって大当たりしたこともある。一人で行くも良し、大勢で行ってわいわい言いながら買うのも良し、競馬というゲーム、ギャンブル、あるいはスポーツに少しでも興味を持たれたら、まずは競馬場に行ってみてほしい。テレビとは違った迫力が、あなたを襲うことだろう。 競馬を楽しもう。 競馬場で、楽しもう。 |
<用語説明> 重賞・・・日本中央競馬会がレース体系として定めた賞金の高いレース。G1(グレード‐ワン)・G2・G3などに分類。 差す・・・後方から追いぬいてゴールすること。瞬発力が要求される。後方から追いぬく競馬が多い馬を「差し馬」と言う。 |