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◆エルリック・サーガ◆


 これは、エルリックが”従妹殺し”の異名をとり、メルニボネの崩壊がおこる以前の物語である。これは、エルリックと従弟イイルクーンとの対立の物語であり、従妹サイモリルとの愛の物語でもある。やがて、その対立と愛は〈新王国〉の侵略を招き、〈夢見る都〉イムルイルを炎の中へと瓦解させてゆく。これはまた、二本の黒の剣、ストームブリンガーとモーンブレイドの物語でもある。エルリックとメルニボネ――それは、より巨大な運命、世界の運命をも司る。これは、エルリックが、一万年にわたり世界を支配してきた半人類の王として、そして彼らの艦隊や竜の指揮者として君臨した時代の物語である。
 このメルニボネの物語、竜の島の物語は、悲劇でもある。とほうもない規模の葛藤と、気高き野望の物語。魔術と裏切りと、価値ある理想の、苦痛と恐るべき歓喜の、苦き愛と甘き憎しみの物語である。
 これは、メルニボネのエルリックの物語。エルリックはその大半を、悪夢のなかでしか回顧できぬであろう。

                      (『メルニボネの皇子』p13〜14より)



NO. 書名 刊行 ひとくちメモ
メルニボネの皇子 1972 エルリックと〈魔剣〉ストームブリンガーとの出会いの物語。
この世の彼方の海 1976 いくつもの世界を、過去へ未来へと戦いながら巡り歩くエルリック。
白き狼の宿命 1967,1970,1977 予告されていた悲劇が現実のものとなり、エルリックは新たな旅に出る。
暁の女王マイシェラ 1970 〈法〉に仕える女王と〈混沌〉に仕える皇子の邂逅。
黒き剣の呪い 1967,1970,1977 復讐の旅の終わりに待っているものはやはり呪われた宿命なのか、それとも……?
ストームブリンガー 1963,1965,1967,
1977
すべての喜びは悲しみのために。すべての悲しみはたったひとつの始まりのために。
『エルリック・サーガ』ここに完結。
真珠の砦 1989 外伝その1。夢の世界を旅するエルリック。
薔薇の復讐 1997 外伝その2。父の魂を追い求めるエルリック。

オマケ駄文→「エルリック・サーガ」と「ザンヤルマの剣士」の比較

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