| ジェゼベルの死 |
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原題:DEATH OF JEZEBEL 著者:クリスチアナ・ブランド(Chritianna Brand) 訳者:恩地三保子(おんち・みほこ) 出版:ハヤカワ文庫 初刊:1949 装丁:カバー 野中昇 定価:740円+税 ISBN4−15−073002−4 |
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[あらすじ] 帰還軍人のためのアトラクションが開かれることになったが、その関係者である三人のもとに死を暗示する脅迫状が届けられる。 脅迫状の存在を知ったコックリル警部は観客席で舞台を見ることしたが、衆人環視の中で殺人事件が発生してしまった。 密室とおぼしき状況下での事件に、コックリル警部とチャールズワース警部はその知力を競い合う。 これはもうトリックがすごいです。あまりに悪趣味で感動しました。 以下、西尾維新の『クビキリサイクル』(講談社ノベルス)と併せてちょっとしたネタばれです。↓ 『クビキリサイクル』の方は胴体をリサイクルしていますが、『ジェゼベル』の方は首をリサイクルしてます。似ても似つかぬ作品なのですが、軽妙なユーモアがあるけど素直に笑えないという点では共通してますね。 『クビキリサイクル』といえば、事件関係者のアリバイの有無をリストとしてまとめたものが作中に出てきますが、似たようなリストが、ブランドのデビュー作『ハイヒールの死』(ハヤカワ文庫)にも出てきています。 もしかしたら、西尾維新はブランドのファン? いや、これ以上の根拠はないので本気にしないで下さい(笑)。 ↑ここまで。 ただ、確かにすごいトリックなのですが、その見せ方というか、真相が明らかになるまでの持っていき方が面白いです。 本書は、コックリル警部だけでなく、チャールズワース警部というブランド作品の二大探偵が揃い踏みして推理を繰り広げるのですが、二人があんまり協力的ではなく、互いを出し抜こうといくつも推理を展開していきます。果ては、誰だか知らない真犯人をかばおうと、登場人物たちの何人かが自分を犯人とする仮説を持ち出して、もう大変なことになります。 そんな中、コックリルは、「普通は、まずまわりから埋めていき、ほかの部分をそれぞれ適当な位置におさめた上、最後に決定的なものをピタッと捉える。ところが、今回に限り、その最後に来るべきものがまずきまってしまった。」(p205より)と、逆の過程をたどることで真相を明らかにしていきます。 ただ、先に犯人が分かったのはいいけど、実際に何が起こったのかはその時点ではまだ分かってないので、「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」を地でいく場当たり的推理が飛び交い、ようやく真相が明らかになったとたんに、一発の空砲で幕切れになるというのは、ホントに鮮やかです。 最初の方が分かりにくくて、物語に入り込むのに少し時間がかかりましたが、それさえ乗り越えればあとは怒涛の展開です。 コリン・デクスターの『モース警部』シリーズ(ハヤカワ文庫)とかが好きな人にはオススメの一冊です。 ちなみに、本書では引き立て役に終わってしまったチャールズワース警部ですが、デビュー作『ハイヒールの死』(ハヤカワ文庫)や『暗闇の薔薇』(創元推理文庫)など、いくつかの作品で活躍しています。非常に惚れっぽい性格で、事件の最中に好みの女性に会ってしまうとすぐに表情に出てしまい、彼女に不利な証拠が見つかるとガッカリするという愉快な奴です。本書では比較的真面目に捜査していますので、ちょっと意外でした(笑)。 |