◆「9」の不思議 本書『心地よく秘密めいた場所』で、エラリイは、ある数字が9の倍数であることを説明するにあたって、各位の数を合計して、それが9の倍数になるのであれば、その数が9の倍数であるとしています。 たとえば、1899という数字について、「1+8+9+9=27」で、27は9の倍数ですから(27という数字自体も2+7=9で9の倍数)1899は9の倍数だと説明しています。ちなみに、1899÷9=211ですから9の倍数であることは間違いありません。 掛算九九の9の段だけを見ても、 9×1=09 0+9=9 9×2=18 1+8=9 9×3=27 2+7=9 9×4=36 3+6=9 9×5=45 4+5=9 9×6=54 5+4=9 9×7=63 6+3=9 9×8=72 7+2=9 9×9=81 8+1=9 (ちなみに、9×10=90ですが、これを表の下段にいれて各答えを見てみて下さい。9×5と9×6の間を境にして、一の位と十の位の数をひっくり返したものが答えになってます。これも幼い頃には不思議に思ったものです……。) 一の位と十の位の数字の合計が9となっており、9の倍数の各位の合計した数は9の倍数になる(あるいは逆に、各位の合計が9の倍数になるならば、その数は9の倍数)、という法則にあてはまっていることが分かります。 小学校や中学校ですでに学習済みという方にとっては当たり前のことと思われるかもしれませんが、私自身、最初にこれを知ったときはとても不思議に思ったものです。 で、この法則ですが、実は数学的に数式で証明することができます。 [証明] 何桁でも良いですが、たとえば4桁の自然数Nで考えてみます。 で1000の位の数をa,100の位の数をb,10の位の数をc,1の位の数をd とすると,もとの自然数はN=1000a +100b +10c +d となります。 ところで,1000=9×111+1,100=9×11+1,10=9×1+1ですから, N =(9×111+1)a +(9×11+1)b +(9×1+1)c +d =9×111×a +9×11×b +9×1×c +(a +b +c +d) =9×(111×a +11×b +1×c) +(a +b +c +d) 9×(111×a +11×b +1×c) は9の倍数になってますから,a +b +c +d が9の倍数であると,Nが9の倍数になる(逆にいえば、Nが9の倍数であれば、a +b +c +d が9の倍数である)ことが分かります。 [証明終り] これは何桁でも同じです、5桁でもN=10000a +1000b +100c +10d +e として、あとは同じでNが9の倍数であれば、(a +b +c +d +e)が9の倍数であることが確認できます。 これを「九去法」と呼びます。ちなみに、3の倍数についても、各位の数の合計が3の倍数であれば、その数は3の倍数です。覚えておけばきっと得する……かどうかは分かりませんが、ちょっと面白いですよね(笑)。 |