火  車
作者:宮部みゆき
出版:新潮文庫
初刊:1998
装丁:カバー装画 藤田新策
定価:743円+税

[あらすじ]
 休職中の刑事、本間は遠縁の男性に頼まれて、失踪した彼の婚約者、関根彰子を探すことになったが、捜査を続けていく内に彼女は本物の「関根彰子」ではないことが分かった。一体彼女は、どうやって、何のために他人の戸籍を乗っ取ったのか。そして、彼女は何者なのか…。



 本作品は一応サスペンスということにしましたが、失踪した女性を探すというシチュエーションは、いわゆるハードボイルド物の典型ですね。しかし、そんなに主人公である本間のキャラだけが際立っているわけではないので、サスペンスということにしました。

 山本周五郎賞受賞作であり、宮部みゆき作品のなかでも最も知名度の高い作品ではないでしょうか。知名度といえば、この書評のコーナーで紹介されている本は知名度的にいま一つのものが多いですが、別にマイナー本ばかり狙っているわけではありません。ただ、みんなが良いと言っているものは紹介しにくいのは確かですね。しかし、書評で紹介する本の基準は、あくまでアイヨシが面白いと思ったか否かが基準なので、そうした本の知名度が高いからといって逃げるわけには行きません。

 本書評は字数が多くなってしまったので、2部構成にしました。第1部は経済小説として「火車」を読んだ感想、第2部は本作品素直にサスペンス小説として楽しんだ感想が主な内容です。しかし、書評というのは長ければ良いというものでもないので…。言い訳をさせてもらえば、この本はアイヨシの思い入れが非常に強い本なのです。

 また、第1部は破産や戸籍といったことについてが主な内容となっているので、本作品を未読の方が読んでも大丈夫だと思いますが、第2部については真相をばらしまくっていますから、未読の方は気を付けて下さい。


 第1部 … 「火車」の経済小説としての側面を読み解く。

 第2部 … 「火車」のサスペンス小説としての側面を読み解く。



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