フジモリの脳内ラビリンス

〜a labyrinth in fujimori's brain〜

Ninty-ninth bookshelf
『オペラ・ギャラリー50』学習研究社




だってオペラって、本当に楽しいんだもの。


御影 「しゃなりしゃなり」

フジモリ 「お、正装して気合入ってるね」

御影 「ごきげんよう」

フジモリ 「その挨拶はいいって!なんで正装っていうとそういうイメージになるかなぁ」

御影 「まあまあ。えーっと、今回はオペラの書評やろ?」

フジモリ 「正しくはオペラの解説書だ。取り上げるのは学習研究社「オペラ・ギャラリー50」。解説書なので今回はあらすじもなくいきなり本題に入ります」

御影 「はーい」

フジモリ 「この本は、著名な50のオペラについて、あらすじ、登場人物表、聴きどころであるアリアなどを紹介している。オペラというと何か堅苦しくて、それこそ御影じゃないけど正装して聴かなきゃというようなイメージを持ったりするけど、そうでもない。確かに日本では一回聴くと結構なお値段になるけど、例えばフジモリがウィーンの国立オペラ劇場(オーパ)で聴いたときは立見席が5ユーロ(約700円)だったし(指揮は小澤征爾、演目はワーグナー「さまよえるオランダ人」でした)、ほぼ毎日公演している。もちろん高い席は高いけど、結構庶民的な娯楽なんだよね」

御影 「へぇ」

フジモリ 「ただ、歌のみでストーリィが進むので、事前にストーリィを知らないと「あれ?なんでこの人死んだの?」などと混乱してしまうこともある。そこで、解説書の出番というわけだ」

御影 「(本を読んで)ふむふむ。ワーグナーの「ニーベルングの指輪」4部作や、ブギーポップで有名な「ニュルンベルクのマイスタージンガー」、モーツァルトの「魔笛」やらビゼー「カルメン」、メジャーどころはたいがいおさえとぉね」

フジモリ 「オペラそのものは知らなくても、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」「カルメン」「ワルキューレ(ワルキューレの騎行)」「椿姫(乾杯の歌)」など、CMや映画音楽などで用いられ、耳にした曲はあると思う。歌や音楽は当然ながらこの解説書では味わうことはできないけど、これはもう、ぜひとも一度聴きに行ってほしいね」

御影 「CDでええやん」

フジモリ 「やっぱホールだと臨場感が違うよ。もちろん、演目によっては「想像してたのと違う!」ってものもあるわけで、そういう意味ではCDで「味見」してみるのも手かもしれない」

御影 「この本には、「このオペラをCD(あるいはDVD)で聴くならこれ!」ちゅうオススメCDも紹介されとるしね」

フジモリ 「うん、痒いところに手が届いているよね」

御影 「そやね。・・・んーで、肝心のオペラのストーリィ紹介はどやったん?」

フジモリ 「これも面白かった。オペラってのは登場人物が少なくて、主要人物は2〜4人ぐらいの場合が多い。で、彼らの人物紹介とともに、関係図も書かれている」

御影 「よくラブコメにある「誰が誰を好きで・・・」ちゅうやつやね」

フジモリ 「うん。まさしくそれ」

御影 「せやけどオペラって、ほっとんど恋愛がネタになっとんやね」

フジモリ 「今で言う、TVドラマみたいなものだからね。娯楽としては分かりやすいほうが大衆ウケするだろ?」

御影 「ま、まあ、そやけど・・・」

フジモリ 「で、この本「オペラ・ギャラリー50」では、さらに一歩踏み込み、登場人物の感情を「HAPPY」「UNHAPPY」でグラフ化している。第一幕では二人の恋が燃え上がり、共に「HAPPY」だったものが、第二幕から下り坂になり、最後には死をもって「HAPPY」で終わる・・・などというようにね」

御影 「ちょい待て!死んだらUNHAPPYやろが!」

フジモリ 「ところがそうでもないんだよね。あくまでこのグラフは登場人物自身の主観によるものなので、死のうが別れようが本人が幸せだと思えば「HAPPY」なんだ。実際、最後に「死」をもって終わるオペラってのは多いけど、例えばヴェルディ「アイーダ」とか、意外と後味がいいんだよね。これも、オペラという「娯楽」がなせる業だ」

御影 「なるほどなぁ」

フジモリ 「この本で主要人物名をおさえ、ストーリィをおさえ、人物関係を頭に入れる。で、登場人物たちの心の浮き沈みを踏まえてオペラを観劇すれば、彼らが歌う歌にこめられた思いやその歌が果たす役割が分かり、より深く味わうことができるわけだ」

御影 「なるほどなぁ」

フジモリ 「まあ、かくいうフジモリも、オペラといえば「主人公はテノール、ヒロインはソプラノ、主人公の恋敵がバリトンで、三角関係の末、最後は死んで終わり」というイメージが強かったんだけど、実際のところ人物関係も結末も多種多様で、「死」による終わりだけじゃないんだな、と思った。誰も死なずハッピーエンドで終わるオペラでオススメするのが、ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」やR・シュトラウス「ばらの騎士」かな」

御影 「まあ、あんた、ヴェルディ好きやねんけど、あの人のオペラは死んで終わるの多いからなぁ」

フジモリ 「「アイーダ」「椿姫」「リゴレット」とかね。「仮面舞踏会」もそうか。でもまあ、ヴェルディは一番好きな作曲家だからね。あんまストーリィは気にしてない」

御影 「今までの話と矛盾しとるやん!」

フジモリ 「まあ、楽しみ方は色々あるってことだ。ストーリィで言えば、例えば、モーツァルト「魔笛」なんてすごいぞ。

旅先で大蛇に襲われたタミーノ王子は、夜の女王の3人の侍女に救われる。大僧正であるザラストロに愛娘を奪われた夜の女王に深く同情し、その絵姿を見て一目惚れしたパミーナを救い出すために、ザラストロの神殿に、「鳥刺し」のパパゲーノといっしょに乗り込むことになる。

神殿で、パミーナに会えるには会えたが、そこでザラストロの部下につかまってしまったタミーノたちは、彼らに接したザラストロの人柄に信服してしまう。

タミーノもザラストロの側についたのを見て、妨害にまわった夜の女王たちの陰謀も含め、タミーノとパミーナはお互いの愛を成就させるために、それぞれがつらい試練を受け、それを乗り越え、ついに二人は結ばれるのであった。

というあらすじなんだけど、あらすじだけ見るとファンタジィというか、ライトノベルで同様のネタがあってもおかしくない」

御影 「確かに。テーマも、「タミーノの冒険と成長」やし、「ボーイ・ミーツ・ガール」もの、っちゅうカテゴライズもできるしなぁ」

フジモリ 「ワーグナーの「ニーベルングの指輪」4部作(「ラインの黄金」「ワルキューレ」「ジークフリート」「神々の黄昏」)は、トールキン「指輪物語」の骨子となっていることでも有名だ。こんな風に、各オペラのストーリィを読んで楽しむという方法もあるよね」

御影 「オペラって奥が深いなぁ」

フジモリ 「というわけで、古今東西の有名どころのオペラを紹介しているわけだが、初心者が読んでも非常に分かりやすく、オペラを聴きに行きたくさせる格好の入門書だ。これを読んで、少しでもオペラに興味をもってくれたら嬉しいね。それが、今回の感想かな」




御影 「ほな、最後はオペラにふさわしいオチで締めよっか」

フジモリ 「なにが「ほな」なのかよくわからんが、まあ、任せた。歌って締めるのかな?」

御影 「んーん。あんた殺して、締めで」

フジモリ 「物騒だなオイ!ってか、勝手に人を殺すなよ!」

御影 「まあまあ。ウチにとってHAPPY ENDなんやし、美しく散ってや」

フジモリ 「フジモリにとってはUNHAPPY ENDだって!もっと普通に締めてくれよ!」

御影 「えー(ぶつぶつ)。ほな、無難に歌で締めとこか」

フジモリ 「おうおう。「檄!帝国華撃団」でも「御旗のもとに」でもなんでもいいんで、歌劇らしく美しく締めてくれ」

御影 「ほな。ん、んん。あ〜あ〜あ〜あ〜あ〜(発声練習)・・・♪おぉ〜マリア〜」

フジモリ 「FF6かよ!」

御影 「んーん。ユニコーン」

フジモリ 「オペラ関係ないじゃん!」



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