フジモリの脳内ラビリンス

〜a labyrinth in fujimori's brain〜

Ninty-fourth bookshelf
森博嗣『φは壊れたね』




「いるのね、同じ系列の人が・・・」


舞奈 「今回読んだのは森博嗣「φは壊れたね」です!」

御影 「あ、舞奈、お久しぶりぃ」

舞奈 「今回は新シリーズなんで、キャラクタ一新、書評も一新で私が担当しまぁす!」

御影 「舞奈ってこんなキャラやったっけ・・・」

舞奈 「んなわけあるかいっ!・・・どう?御影のツッコミに対抗してみました」

御影 「何にツっこんでんねん!」

舞奈 「え?いや、言いたいことも言えないこんな世の中に」

御影 「わけわからんわ!」

舞奈 「まあ、新シリーズって事で。今までと芸風を変えて」

御影 「変えすぎや!・・・ほな、あらすじ行くで」

舞奈 「なんでやねん!」

御影 「いや、おもちゃ手に入れた子供ちゃうねんから、楽しそうにいちいち無意味にツッコミするのはやめい。改めて、あらすじを。

おもちゃ箱のように過剰に装飾されたマンションの一室に芸大生の宙吊り死体が。現場は密室状態。死体発見の一部始終は、室内に仕掛けられたビデオで録画されていた。

タイトルは『φは壊れたね』。

西之園萌絵が、後輩、山吹早月、海月及介たちと事件の謎を追究する・・・。

ちゅう話や」

舞奈 「今回は、Qシリーズなんでしょ?」

御影 「そやね。犀川&萌絵のS&Mシリーズ、瀬在丸紅子のVシリーズに続き、今回は海月及介のQシリーズ、ちゅうわけや」

舞奈 「時系列的にはS&Mシリーズの後。萌絵が大学院D2になってるわね。で、新キャラ登場」

御影 「加部谷恵美、山吹早月、海月及介の3人やね。しかし、萌絵やその指導教官の国枝桃子(この二人のコンビは「捩れ屋敷の利鈍」にも出とったやんね)も登場する。この5人のディスカッションは今作の注目どころやね」

舞奈 「それにしても、萌絵も芸風・・・もとい、キャラ変わっちゃってるよね」

御影 「そやな。めっちゃフレンドリーになってる。冗談言う萌絵なんて、S&Mシリーズからは想像も出来へんかったもんなぁ」

舞奈 「萌絵ACT2?」

御影 「ちゃうって!」

舞奈 「じゃあ、超(スーパー)萌絵人?」

御影 「萌絵人ってなんやねん!」

舞奈 「えー。ツッコミどころはそこなのぉ?」

御影 「ほな、どこに突っ込むんや!」

舞奈 「「それはクリリンのことかー!」とかさぁ」

御影 「突っ込んでへんて!ボケにボケかぶせとぉって!」

舞奈 「まあ、萌絵の髪もオレンジのメッシュ入ってたしさぁ」

御影 「た、確かに。まあ、スーパーサイヤ人とは関係あらへんけどね。真面目に説明すると、「有限と微小のパン」での真賀田四季との再会、そして「解放」もあったのが影響を与えてる、思うねんけど」

舞奈 「「解放」?」

御影 「ま、詳しくはウチとフジモリの「森博嗣「犀川&萌絵シリーズ」を振りかえる」を参照したって」

舞奈 「(書評を読みながら)なるほどなるほど。・・・それにしても、今作はS&Mシリーズに登場した人物たちの「その後」がわかっておもろかったわ。犀川先生も萌絵とラブラブだったし」

御影 「そうやね。んーで、今回初登場のキャラたちはどうやった?(まあ、厳密には短編「刀之津診療所の怪」に出てきとぉから初登場ちゃうねんけど)」

舞奈 「まあ、今回が顔見せだからかもしれないけど、Vシリーズのキャラに比べたら強烈な個性が無くって、すごく「ふつー」な感じがしたわ」

御影 「それや!」

舞奈 「えっ?な、なに!?」

御影 「今作「φは壊れたね」は、意図的に「普通」にしてるように思えんねん。正に「王道」、「直球」。それは、トリックにも表われとぉ」

舞奈 「確かにそうかも。ネタバレになるから詳しくは言えないけど、今までの森博嗣作品とはうって変わって、それこそ「古典ミステリィ」に出てきそうな、「直球」のトリックよね」

御影 「まあ、とは言ぅものの、それこそ新城カズマ「無謬邸は暁に消ゆ」で言われとぉよぉに、

 「でしょう?そうですとも、錠前や蝶番の全盛期はもう過去の話なんです。今は新たなる黄金期。叙述トリックと心理的陥穽こそが未来の王道なんです(p119)」

 過去と新たなる全盛期との融合を試みとぉしね」

舞奈 「ほんと、「森博嗣、こんなミステリィも書けたんだ!」って思ったわ」

御影 「しかも、一筋縄でいかないのが森博嗣らしいわな。解決編もめっちゃあっさりしとぉし、「日常の一シーン」ちゅう感じやったわ」

舞奈 「及介のキャラも面白いわね。森博嗣版「矢吹駆」と言ってもいいわ。全てを知ってて、しかももったいぶるところなんか特に」

御影 「5人のディスカッションは西澤保彦「麦酒の家の冒険」などのチック&タカチシリーズを思わせるしね」

舞奈 「ほんと、「直球」よね」

御影 「今までの森ミステリィに慣れ親しんでる人ならちょっと違和感あるかもしれへんけど、逆に今まで森博嗣を敬遠してた人の入門書にええかもね。Vシリーズよりもシンプルに、洗練されとぉけど、中身はおなかいっぱいになるぐらいのコテコテや。次作以降も楽しみにさせる、まさに「良い立ち上がり」の一作やった。それが、今回の感想やね」




御影 「いやあ、最初はどぉなることか思ったけど、舞奈との書評もおもろいなぁ」

舞奈 「古きを温め、新しきを知る。今回みたいなキャラクタの入れ替えも良いもんでしょ?」

御影 「ほんま、そうやね」

舞奈 「よし、オチも「直球」でいきましょ。古典と現代の融合!」

御影 「ほぉ。おもろそうやね。どうやって締めるん?」

舞奈 「えー、毎度ばかばかしいお笑いを・・・」

御影 「めっちゃ古典やん!しかも、締めてへんやん!」



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