フジモリの脳内ラビリンス

〜a labyrinth in fujimori's brain〜

Sixty-fihth bookshelf
東野圭吾『秘密』



たけい 「今回は東野圭吾の「秘密」をとり上げようと思います」

御影 「はいな。・・・ってあんた誰やねん!」

たけい 「僕は三軒茶屋の管理人の一人のたけいっていいます。よろしく」

御影 「・・・そのたけいさんがなんでここにおるん?」

たけい 「今回「秘密」の書評をしようと思ったんだけど、ぜひ女性の意見を聞きたくてね。こちらにお邪魔したって訳なんだ」

御影 「女性〜。いやぁ〜。嬉しいわぁ。フジモリなんか、ウチを女性扱いしたことなんか一度もあらへんもんなぁ。よぉし!サービスしたるでぇ!・・・んーで、特別手当はなんぼくれるん?」

たけい 「(うーん、噂どおりだなぁ)考えておくよ。それでは御影さん、あらすじをお願いします」

御影 「この本読んだこと無いねんけど・・・」

たけい 「あっ!そうか!じゃあ僕が。

 会社員の杉田平介は妻の直子と娘の藻奈美と三人暮らしをしていました。
 どこにでもありそうな、この家庭をある悲劇が襲います。
 直子(妻)と藻奈美(娘)を乗せたバスが大事故を起こしてしまうのです。
 そして、妻は死亡し娘だけが奇跡的に助かります。

 ・・・ところが、意識を回復した娘は藻奈美ではなく、妻の直子でした。
 体は藻奈美(娘)心は直子(妻)と平介との奇妙な暮らしが始まります。

 って話だよ。」

御影 「ふーん、ところでその妻の直子って事故った時、額にサークレットしてへんかった?」

たけい 「・・・そういうマイナなボケはやめてください。僕はフジモリじゃないんで突っ込めませんよ」

御影 「なんや、おもんない。ボケとツッコミは書評の基本やのに!ぶつぶつ・・・」

たけい 「なんか違う気がするが・・・」

御影 「・・・あれ?この「秘密」ってミステリィなん?ほらここに98年のベストミステリィって」

たけい 「うーん。確かにミステリィ的な要素も含まれているけど、どちらかと言うとノンフィクションって感じだったよ」

御影 「?、どぉいうことなん?」

たけい 「この話、普通の小説では無視されがちな、加害者(バスの運転手)の家庭の様子も大切に描かれているんだ。賠償金問題とか結構リアルに描かれているよ」

御影 「はぁ〜。結構重そうな話やねぇ」

たけい 「確かに。でも本当にキツイのはこの部分じゃないんだ。この小説には次のようなくだりがあるんだ。

 俺はたぶん嫉妬しているのだと平介は思った。
 若さを手に入れた直子に嫉妬している。
 そんな彼女と青春を楽しめる若い男たちに嫉妬している。
 同時に、彼女に対して恋愛感情や肉欲を抱けない自分の立場を呪っている。

 どう?平介が娘と妻の境界線上でで苦悩するのが伝わってくるだろ?」

御影 「確かにきついなぁ。でも直子も、苦悩しとんのんやろ?

「あたしたち、こうやって壊れていくのかな。」

 って台詞があるし」

たけい 「うん。これは主観的な感想だけど、女性は直子の肩を持つだろうね。彼女を苦しめる平介に嫌悪感を覚えるんだろうね。そして男性は平介に対し「分かる分かる」と涙すると思うよ」

御影 「ふぅん。まあ、一概には言えへんのやろけど。女性の書いた「秘密」の書評を読んでみたいなぁ。ところで、この話このまま終わるん?後味悪くないん?」

たけい 「いやいや。それはないよ。ギリギリまで追い詰められた生活の中で、本物の藻奈美が顔を出し始めるんだ」

御影 「うわー、ほな、これでHAPPY ENDやね。直子には悪いやろけど」

たけい 「うーん。でも必ずしもそうじゃないんだ。まあ、最終的にどちらの心が残るかは、お楽しみって事で。ラストをちょこっとだけ言うと、

 ラストシーンで、平介はウエディングドレスを着た娘の前にいるんだ・・・

くーぅ、ネタばらしたい!とにかく本当に泣けるんだよ!!」

御影 「ふぅん、ほな、ウチの主のフジモリにも読むように言ぅとくわ。もう読んどぉかもしれへんけど・・・」

たけい 「是非そうしてくれ」

御影 「それにしても、あんたの話し方ってフジモリに似とぉよな」

たけい 「(ぎくっ)そ、そんなことないよ。か、関西弁だって喋らへんし(はっ!)」

御影 「あああ!あんたまさか!!」

たけい 「まあ、いいじゃないかどっちでも。フジモリとたけいが知っている「秘密」ってことで・・・」



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