フジモリの脳内ラビリンス

〜a labyrinth in fujimori's brain〜

Sixty-third bookshelf
森岡浩之『星界の戦旗III 〜家族の食卓〜』




わたしは彼の大地となり、彼をわが大地としよう。


フジモリ 
「さて、「ディアーホ3部作」も今回で終わり。星界の戦旗第3巻、「家族の食卓」だ」

御影 
「不幸!ジント君ってば、不幸!」

フジモリ 
「それはもういいから!」

御影 
「でも、今回もそうやん」

フジモリ 
「じゃあ、あとでたっぷり言ってもらおう」

御影 
「いぇ〜い。・・・で、さっきさらっと流してもぉたけど、「ディアーホ3部作」ってなんなん?」

フジモリ 
「うん。作者があとがきで言ってたんだけど、「星界の戦旗1〜3」はジントが飼っている猫(もともとはラフィールの猫なんだけどね)、ディアーホについての話が各巻の最初と最後に書かれている。「星界の戦旗3」で、めでたく生まれ故郷におちつくことになったわけで、「ディアーホ3部作」となっているわけだ」

御影 
「なんや、「星界の戦旗」って猫の話なん?」

フジモリ 
「違うって!さんざん自分であらすじ言ってるだろう!今回もメインはジントとラフィールだ。じゃあ、まずは今回のあらすじを」

御影 
「はいな。


 ジントとラフィールを乗せた軽武装貨客船"ボークビルシュ"は、一路ハイド星系めざし平面宇宙を航行していた。
 "三カ国連合"艦隊の撤退により帝国領に復帰したハイド星系を、ジントが伯爵として正式に統治するためだ。
 だが、故郷である惑星マーティンの領民政府は、頑強に帝国への帰属を拒んでいた。
 一方、新たな艦種・襲撃艦によって構成された第一蹂躙戦隊もまた、戦技演習のためハイド星系へと向かっていたが…。


 ゆぅ話や」

フジモリ 
「と、いうように、星界の戦旗シリーズ自体は猫とはあんまり関係ない。もちろん、「ディアーホ」という猫が、物語の要所要所でうまく使われているんだけどね」

御影 
「猫〜。かわいいなぁ」

フジモリ 
「くしゅんくしゅん」

御影 
「なんや?」

フジモリ 
「いや、フジモリ、猫アレルギーだから。猫好きなんだけどね」

御影 
「実家に猫2匹飼ってるくせに」

フジモリ 
「実家に帰るとくしゃみが止まらないんだよなぁ。・・・まずいまずい。猫の話をし出すと脱線してしまう」

御影 
「「バースロイル」のメンバーを笑えへんで」

フジモリ 
「そうだなぁ。ほんと、「バースロイル」のメンバーってディアーホが好きだよね。ディアーホを軸に、ジントと他のメンバーの交流が描かれているから、「ディアーホ3部作」というのも頷けるな。しかし、今回の話のメインは猫じゃない」

御影 
「不幸!ジント君ってば、不幸!」

フジモリ 
「うむ。ここでその言葉が出るのは良し。今回は、ジントが生まれ故郷ハイド星系に戻る話だ」

御影 
「不幸!ジント君ってば、不幸!」

フジモリ 
「もういいって!星界シリーズの最初、しょっぱなのしょっぱな、「星界の紋章1」で書かれているけど、ジントは生まれ故郷をいわば裏切るかたちでアーヴとなった。やんごとなき事情とは言えね。しかも、帝国への帰属を拒むレジスタンスのリーダはジントが親同様に慕っている夫婦。帰りづらいよなぁ。ほんと、ジント君ってば不幸だよ」

御影 
「前巻、前々巻と「クローズアップ」について言及しとったけど、今回は「統治」がクローズアップされとぉよな」

フジモリ 
「そうだね。いずれジント、ラフィールが偉くなった時も、今回と同様に統治について悩むことがあるだろう。今回は多分に私情が絡んではいるけど、うまい治め方だったと思うよ」

御影 
「ジント君にとっては辛い結末やけどね」

フジモリ 
「う〜ん。だからこそ、クライマックスの晩餐シーンが活きてくるんだよね。今回は、純粋にストーリィを楽しんでいいと思う。ジントの苦悩と、成長。これを軸に物語が進んでいく。ラブコメ部分は少なく(あることはあるけどね)、泣かせどころもある。とにかく、大満足の巻だね」

御影 
「さすが「ディアーホ3部作」最終巻やな」

フジモリ 
「関係ないって。星界シリーズは各巻で色が違うけど、フジモリは今回が一番気に入った。シリアスベースにラブコメ少々、感動の調味料一つまみ、だね」

御影 
「なんやねん一つまみって」

フジモリ 
「「星界の紋章」から読みなおしたくなる、そんな本だ。今までで一番良かった。これが、今回の感想かな」




御影 
「ところで、今回の感想では「次が読みたくなった」、言わへんかったけど、どないしたん?」

フジモリ 
「うむ。実は現在この巻が最新なんだけど、前巻との発行間隔が3年開いてるからね。その辺については某バーチャルネットアイドルもネタにしてるけど、次の巻がいつになるのかと考えたら、うかつに「次巻が楽しみ」とか言えないよ(笑)」

御影 
「せやけど、3年なんかたいしたことないんちゃうん?」

フジモリ 
「田中芳樹に慣れすぎだって。もうあの人の作品は「アルスラーン戦記」か「創竜伝」のどちらかを完結させてくれたら充分だ、と諦めがつくようになったから」

御影 
「悟りの境地やなぁ」

フジモリ 
「田中芳樹で「ウン年待ち」に慣れ、漫画「ハンターハンター」で休載に慣れる。これが一般的な本読みのスタイルだね」

御影 
「一般的かいっ!・・・せやけどなぁ。やっぱ田中芳樹の続巻が読みたいんやけどなぁ」

フジモリ 
「なに?「創竜伝」?「アルスラーン」?それとも「タイタニア」?」

御影 
「んーん。「レッド・ホット・ドラグーン(灼熱の竜騎兵)」」

フジモリ 
「一番可能性が低い作品を挙げるなぁっ!!」



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