フジモリの脳内ラビリンス

〜a labyrinth in fujimori's brain〜

Sixty-second bookshelf
森岡浩之『星界の戦旗II 〜守るべきもの〜』




「そいつは、艦長がだれを迎えるつもりかによりますなぁ」


フジモリ 
「というわけで、早速続きを読んでみました。新感覚スペースオペラ、星界の戦旗2巻、「守るべきもの」です」

御影 
「えらいキャッチーなコピーやな」

フジモリ 
「ちなみに、「新感覚」と「空識覚」をかけてみました」

御影 
「んなん、わかるかぁ!」

フジモリ 
「とまあ軽いジョークはおいといて、星界の戦旗シリーズ第2弾。早速だけど、御影、あらすじを」

御影 
「今回はアクション映画風に・・・」

フジモリ 
「だから、それはいいって!」

御影 
「なんや。おもろないなぁ。


 帝国暦955年、幻炎作戦によって圧倒的勝利をおさめた「アーヴによる人類帝国」は、残存する「人類統合体」の艦隊を制圧すべく、新たに艦隊を再編し、狩人作戦を開始した。
 一方、狩人第四艦隊に所属する「バースロイル」艦長ラフィールは、艦隊司令長官ビボース提督によってまたも領主代行を命じられ、ジントとともに「惑星ロブナス2」へと向かった。
 しかしその惑星は…

 
 ゆぅ話や」

フジモリ 
「今回も、戦争という大局を描きながらも、ラフィールとジントたちの物語を中心に据えている。この巻は、領主代行を命じられた惑星で起こるとんでもない事件の話だ」

御影 
「とんでもない事件?」

フジモリ 
「そう。ラフィールが領主代行として降り立った惑星(正確には島)は、巨大な刑務所だったんだ」

御影 
「そこに無実の罪を着せられて入獄した空条承太郎の娘、空条徐倫。しかし、それは彼女と彼女の父親を狙うスタンド「ホワイトスネイク」を操る神父、エンリコ・プッチの陰謀だった!果たして、徐倫は脱出できるのだろうか!」

フジモリ 
「話変わってるって!」

御影 
「あ、あれ?おかしいなぁ?」

フジモリ 
「おかしいのはお前だ!・・・なんですぐ脱線しようとするかなぁ。話を戻します。島内で起こる派閥の衝突に巻き込まれるラフィールたち。衝突はやがて武力を伴う血なまぐさいものに変わっていく。ジントたちはこの危機を脱出できるのか?というのがこの巻の一番の見所だ」

御影 
「ジント「たち」やのぉて、ジントやろ?危機に会ぉたんわ」

フジモリ 
「ま、そうなんだけどね。ジントって、ほんと不幸を一身に背負ってるよね。おまけに、良かれと思ったことが裏目に出るというモスト苦労人のパターン」

御影 
「なんやねん、モスト苦労人って」

フジモリ 
「気にすんな。・・・もっとも、この不幸でラフィールとの絆が深まったんで、「災い転じて福となる」だったのかな?」

御影 
「「フラグが立ってイベント発生」とも言ぅで」

フジモリ 
「言わないって!なんか今回は造語が多いなぁ。とにかく、今作は突撃艦「バースロイル」のメンバが惑星での危機を乗り越えながら連帯意識を深めていく、面白い構成だった。それぞれのキャラの個性も前巻よりもくっきり出ていたし、まさしく「クローズアップ」だったね」

御影 
「ほんま、戦争全体、戦局全体言ぅよりも、戦争しとぉ艦一隻に集中しとぉもんなぁ」

フジモリ 
「前巻の感想でも言ったけど、このシリーズ、「戦略」「戦術」よりも、「戦闘」のクローズアップを中心に描かれている。「三国志」で言うならば、一騎打ちみたいなもんだ。戦局全体を変える力はないものの、血沸き肉踊ることには変わりはない。宇宙での戦争において「戦闘」がクローズアップできるのも、各艦を操縦するのが「個人」であるからという仕組みだからなんだけどね。そういう意味では、うまい設定だよね」

御影 
「武将と馬みたいなもんやね。あるいは、「ドッグファイト」」

フジモリ 
「後者に近いね。だからといって個人技だけではどうしようもない部分があり、それを各スタッフがサポートしている。個人の能力が重要でありながらスタッフとの連携も重要。ラフィールのキャラクタも、もともとは人に頼らず傍若無人だったのがジントとの出会いで他人を少しばかり気にできるように変化していった過程もあり、それと重ねあうよね」

御影 
「そこまで深読みするかぁ?」

フジモリ 
「そこまで深読みするから面白いんだよ。と、いうわけで、世界設定と同様に構成も練りこまれているんだな、と思った。「個」のクローズアップをするために、「戦闘」において「個人」が艦を操縦できるような設定にしてあるし、個人技だけに頼らないようにスタッフ(乗組員)とのからみのエピソードも描かれているしと、物語の世界構成とストーリィの構成とがうまく相乗効果を生んでいるよ。今回の話は領主となった惑星上での戦乱を解決する話だったけど、このエピソードだって今後起こりうる「戦争」「戦局」における指揮の伏線なのかもしれないし」

御影 
「それやったら見事やな」

フジモリ 
「とにかく練りこまれた設定の小説だ。見所たくさんで、読者をあきさせないよ。エピソードも各巻完結だし、読みやすいね。早速次も読むことにしよう」




フジモリ 
「しかし、ジントも毎回毎回不幸な目に会うよね。グリム童話か冴木忍かってなもんだ」

御影 
「ほんま、不幸やねぇ」

フジモリ 
「これでもか、これでもかというぐらい作者にいじめられてるよ、ほんと」

御影 
「不幸!ジント君ってば、不幸!」

フジモリ 
「そういう読者を置いてけぼりにしたボケをするんじゃないっ!!」




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