フジモリの脳内ラビリンス

〜a labyrinth in fujimori's brain〜

Thirty-eighth bookshelf
浅田次郎『競馬どんぶり』



御影 「えー、今回は、浅田次郎の「競馬どんぶり」について感想を述べていきたいと思ってます。・・・あれ?フジモリは?」

ドクトル 
「どうも」

御影 「うわぁっ!なんであんたがおんねん!」

ドクトル 「えーっと、今回は競馬の本ですんで、競馬コーナーから助っ人としてやって参りました」

御影 「フジモリは?」

ドクトル 「「今回は二人に任せる」とのことです」

御影 「なんや。手ぇ抜きおって。ほな、感想いこか。ああ、基本的スタンスとして、ウチがボケであんたがツッコミ。ええな?」

ドクトル 「そんなこと決めないといけないんですか?」

御影 「「そんなこと」?あほかっ!ここの感想で一番肝心なところやでっ!誰がボケか!誰がツッコミか!きちんと自分の役割分担を把握してへんと血ぃ見るで!」

ドクトル 「ち、血は見ないと思うんですけど…」

御影 「まあええわ。初心者やし、大目に見たるわ。で、今回取り上げる本、「競馬どんぶり」やけど、著者の浅田次郎って「鉄道員(ぽっぽや)」とか「天国まで何マイル」とか書いとぉ、れっきとした小説家なんよなぁ」

ドクトル 「そうです。しかし、その一方で競馬歴30年以上を誇る競馬好き。しかも、毎週競馬場まで行って見ないと気がすまないという筋金入り。この本は、浅田次郎さんに毎週の競馬終了後インタビューをするという形式で浅田さんなりの競馬観について語られた本です」

御影 「競馬歴30年って凄いなぁ」

ドクトル 「それだけ続けても、まだ競馬を続けてるんですから、身を滅ぼさない程度に結果を出しているんでしょう」

御影 「身を滅ぼさない程度の結果?負けてへんってことなん?」

ドクトル 「トータルで言えば負けているのかもしれませんが、毎週続けられるぐらいですから大きな負け、人生に支障が出ない程度の負け、あるいは大勝もせず人生に支障をきたさない程度に勝っている、ってことでしょう」

御影 「どれどれ・・・(ぱらぱらと本文を読む)・・・げっ。一日に100万持ってってレースしたこともあるんか!?」

ドクトル 「しかし、浅田さんに言わせればそれは一過性のもの。常に100万持っていく人は競馬が続かない、とのことです」

御影 「ふうん」

ドクトル 「それに、「100万勝っても人生は狂わないが、100万負けたら人生は狂う」と言ってます。これは、ギャンブルをする人すべての心に響く名言ですね」

御影 「確かになぁ。100万と言わず、10万でも同じことや」

ドクトル 「フジモリさんも競馬で一度に10万以上当たった事は何回かあるんですが、特に人生が変わったわけでもないです。しかし、10万一度に損したら・・・」

御影 「まあ、何らかの形で人生に支障をきたすやな」

ドクトル 「と、このように、この本は競馬というギャンブルに対する心構えについてや、浅田さんなりの必勝法について語られています。競馬好き、競馬ファンを自称する人はもちろん、あらゆるギャンブラーに読んでほしい本ですね。ギャンブルについての心構えなどは、格言のように参考になります」

御影 「例えば?」

ドクトル 「格言。「競馬場には、ジャケットを着て行け!」とのことです」

御影 「はぁ?なんで?」

ドクトル 「やはり、TシャツにGパンで行く人と、ジャケットを着て行く人は心構えが違うわけですよ。Tシャツ・Gパンの人は、財布がちょっと潤う程度の勝ちしか想定していない。そういう人は、思いきった勝負ができないわけで、保身を考えながら買うんで小さく勝って、小さく負けるわけです。一方、ジャケットを着て行く人というのは大口(競馬で一度に100万以上の配当金をもらう場合、別室に呼ばれて受け取る仕組みになっている・・・らしいです)を想定し、100万以上懐に入れる心構えをしているわけです。ギャンブルというものは、金持ちが勝つ仕組みです。資金が豊富で、勝負どころに大金を突っ込める人が勝つわけです。そういう意味で、心構えとして「大金を受け取る用意」をするために、ジャケットを着て行ったほうがいい、というわけです」

御影 「ほんまかぁ?」

ドクトル 「まあ、真偽の程は確かではないですが。しかし、ギャンブルに対しては、それぐらいの心構えで向かった方がいいと思いますよ。競馬好きはますます競馬が好きになり、競馬場に行きたくなる、そんな本ですね」

御影 「ふうん。競馬もおもろそうやねんなぁ。ほな、浅田流の必勝法を教えてや。試しに予想を立ててみるわ」

ドクトル 「では、4月8日に行われる(実際には「行われた」)桜花賞で。まあ、もともと「すべてのレースを公平に見て、勝負レースを決めろ」というお言葉があるんですが、今回は省略して」

御影 「ふむふむ(出走表を眺める)」

ドクトル 「まず、「勝つ馬を決めろ!」らしいです。1頭勝つ馬を決めて、その馬から勝負するんだそうです。BOX買いは邪道なんですって」

御影 「フジモリが実馬券で大当たりしたレースって、みんなBOX買いしてへんかったけ?」

ドクトル 「ああ、あの人の買い方は例外です。あの人、勘で穴馬を見つけますから」

御影 「恐ろしいやっちゃ。・・・ほな、やっぱり勝つんはテイエムオーシャンやな。実績的にも、一番勝ちの目が高そうや」

ドクトル 「次に、「本線を決めろ!」とあります。一点買いの予想をし、それが当たれば大儲け、それ以外は抑えで元金が返るぐらいの買い方をするんだそうです」

御影 「ほな、2着にはやっぱ実績からダイワルージュやな。多分馬連1番人気やろ。どれ、オッズを・・・」

ドクトル 「ぴしっ!(御影の手を叩く)」

御影 「痛っ!な、なにすんねん!」

ドクトル 「「オッズは見るな!」だそうです。オッズによって思考に紛れが起こる。特に、オッズを見て直前変更は愚の骨頂。競馬は長い時間考えれば考えるほど当たりに近づくものだから、一瞬で今までの考えをやめて変更するのはわざと外しているようなものだそうです」

御影 「ほんまにそんなこと言っとん?」

ドクトル 「えーっと、かなり換骨奪胎が入ってますが、だいたいそんなことが書かれてます」

御影 「ま、まあ信じたるか。ほな、この本線に掛け金の6割ほど。あとは抑えを買ぉとくか」

ドクトル 「「タテ(能力)の比較より、ヨコ(相手関係)の比較」・・・だそうです」

御影 「ほな、2着が多いけどテイエムとの勝負付けがすんでないハッピーパスと、持ちタイム一番のムーンライトタンゴを抑えに買ぉとこか。掛け金は2割づつ。元返し+αってとこか」

ドクトル 「おお、見事に予想を立てられましたね」

御影 「う〜む。じっくり考えるとそれだけ結果に表れる。競馬って、奥が深いんやなぁ。この本片手に、競馬場に行って朝から楽しむ、そんな競馬ライフの友やな。読み物としても、競馬攻略本としても楽しめる本や」

ドクトル 「まあ、買い方は人それぞれですし、参考程度にするのが一番いいんでしょうけどね。(ぱらぱらと中身を読む)・・・!」

御影 「楽しみやなあ。浅田流必勝法かぁ。当たるんかなぁ(うきうき)」

ドクトル 「・・・あのぉ」

御影 「?、どしたん?」

ドクトル 「言い忘れてたんですけど、必勝法、というか浅田さんのポリシーとして、「実際にパドックを見ろ!」「ウインズ(場外馬券売り場)で買うな!」「PATは競馬ゲームをやってるようなもんだ!」という格言があったんですけど…」

御影 「それを先に言わんかいっ!」



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