フジモリの脳内ラビリンス

〜a labyrinth in fujimori's brain〜

Fourth bookshelf
The book of color 〜今はない本たち〜



フジモリ 「さて、今回は本の紹介をします。パルコ出版から出ています、「The book of colors」という本です」

御影 「聞いたことない本やな」

フジモリ 「うむ。書店でもほとんど見かけない。なぜなら、すでに絶版になっているからね

御影 「・・・そんな本を紹介すなっ!帰る!撤収!」

フジモリ 「待てっ!帰り支度をするなっ!すとっぷ!」

御影 「なんでやねん!絶版の本の話してもしゃあないやろ!」

フジモリ 「だから違うって。ここからが本題なの。今回はこの本をネタに、本にまつわるちょっとした話をしたいと思ってるんだ」

御影 「ふーん。ほな、とりあえず聞いとこか」

フジモリ 「(ほっ)・・・では、「The book of colors」について簡単な説明を。この本は、「Blue」「Red」「Yellow」など20種類の「色」について書かれた本だ。自然の中に存在する、それぞれの色の写真とともに、ちょっとした詩が添えられている。「Blue」だったら「眠れないあなたのために」、「Red」だったら「落ち込みに打ち勝ちたいときに」と、それぞれの色によってテーマがあり、写真と文章両方を楽しめる構成になっているんだ」

御影 「カラーセラピィ(色彩療法)のようなもん?」

フジモリ 「ま、それの軽いバージョンだね。写真の色彩の再現度が良く、自然が持つ色を最大限に引き出している。自分の好きな色の本を買うもよし、気に入った写真がある本を買うもよし。画集や詩集、写真集などに共通して言えるんだけど、気が向いたときにぱらぱらとページをめくるためだけに存在する本を持っておくと、いい気分転換になるもんだよ」

御影 「そういえば、あんた、写真集「空の名前」や「ミュシャ」の画集、「中原中也詩集」や「萩原朔太郎詩集」を持っとぉもんなぁ」

フジモリ 「心の換気をするときは、こういう本が役に立つからね」

御影 「でも、「The book of colors」って、絶版になったんやろ?」

フジモリ 「そう。ここからが本題。単にお勧めの本の解説をするだけならspecial bookshelfで感想を書けばいい。しかし、この本は感想を読んだ方々が「読んでみたいな」と思っても、そう簡単には手に入れられないんだ」

御影 「「そう簡単には」・・・って、手に入れることもできるん?」

フジモリ 「まず、出版元は生産を停止しているんで在庫はないだろう。となると、本屋にあるストックだけだ」

御影 「?、こういう本って、一定時期に売れへんかったら返本になるんちゃうん?」

フジモリ 「どうだろう。フジモリは書籍の流通について明るくないから断定はできないけど、出版社によっては書店買取の場合のあるみたいなんだ。この本、「The book of colors」がそうだとは限らないけど、絶版になって何年も経っているけどいまだに書店でみかけることもあるから、多分買い取りなんだろうね」

御影 「ほな、本屋にいったら置いてあるん?」

フジモリ 「フジモリが書店で見たのは3軒ぐらいしかないなぁ。生涯行った本屋の1%以下かな…」

御影 「ほな、地方の人とかは絶対手に入らへんのんちゃうん?」

フジモリ 「逆かもね。地方の比較的大きな書店なら、売れ残っている可能性もある。なにしろ、数年間も売れてないわけだ。フジモリが某書店でこの本を買った時は、「ああ、この本はフジモリが買うまで数年間この本屋にいたんだな」と感慨に浸ったもんだよ」

御影 「なんかオーバちゃうん?」

フジモリ 「オーバなもんか。その本は、数年間ずっとフジモリを待っていたのかもしれない。しかも、フジモリがこの本を買ってしまったら、もうこの店には2度とこの本は存在しないんだぞ」

御影 「言われてみればそうやなぁ。絶版やから、在庫がないもんなぁ」

フジモリ 「本との出逢いってのは、偶然による要素も大きいよ。欲しいと思った本を探すだけじゃなく、ふと書店に寄ったら気になる表紙があり、何の気なしに買ったら以後そのシリーズにはまってしまい、その後の人生が変わった、なんてこともある」

御影 「人生が変わる、ってのもオーバちゃうん?」

フジモリ 「フジモリは偶然田中芳樹の「創竜伝」にはまり、中国文学を志した。本読みだったら、こういう「偶然」は一度は経験していると思うよ」

御影 「そんなもんなんかなぁ」

フジモリ 「そんなもんだ。買いたい時には見つからない。あきらめかけると見つかる。本との出逢いは、人との出逢いと同じぐらい、いや、それ以上にミステリアスだと思っている。今回の「The book of colors」、これも先日偶然書店で見かけたんだけど、その本と「再会」した時に、ふとそんなことを考えた。今回取り上げたのはフジモリの思い入れのある本、「The book of colors」だったけど、人それぞれ、そういった本があるんじゃないかな」

御影 「改めて考えると、一冊一冊の本にいろいろなエピソードが込められとぉもんなぁ。本の履歴書は人生の履歴書でもあるな」

フジモリ 「そうだね。今まで出会った本に感謝しないと」

御影 「・・・・・・。そういうセリフは、埃かぶっとぉ本棚を掃除した後に言ったほうがええで」

フジモリ 「うう。(はたきでぱたぱた)げほっ、げほっ。本って、なんでこんなに埃がたまりやすいんだろうなぁ…」

御影 「こういうの、四字熟語でなんて言うか知っとぉ?」

フジモリ 「(はたきでぱたぱたしながら)自業自得、か?」

御影 「んにゃ。文車妖妃、や」

フジモリ 「・・・・・・(無言でぱたぱた)」

御影 「うわ、なにすんねん!」

The book of colors(PARCO出版)

Blue 〜眠れないあなたのために〜
Pink 〜ロマンスの中にいるあなたのために〜
White 〜新しい世界に出て行くあなたのために〜
Green 〜バランスのほしいあなたのために〜
Black 〜夜が長く思えるときに〜
Purple 〜高揚感がほしいときに〜
Red 〜落ち込みに打ち勝ちたいときに〜
Gold 〜理想を見失いそうなときに〜
Rainbou 〜人生が退屈に思えてきたら〜
Yellow 〜微笑みを忘れそうだったら〜
Brown 〜ひと休みする必要があったら〜
Silver 〜希望が不安に負けそうだったら〜
Orange 〜何かがはじまった気がするときに〜
Gray 〜パニックになりそうなときに〜
Indigo 〜自分がどこにいるのかを知りたいときに〜
Asagi 〜みんなから遠く離れた気がするときに〜
Rose 〜何から始めたらいいか、わからなかったら〜
Grass 〜シンプルがいちばん、と思えてきたら〜
PureWhite 〜幸運がやってきた、と実感できたら〜
Sky 〜遠くへ行きたいのに、時間がなかったら〜



TOPページにもどる